レストランの開業手順は?開業資金の調達方法や必要な資格、届出などを解説

レストランの開業には多額の資金が必要なため、融資も活用して調達することが重要です。飲食店経営に必須の資格もあるため、事前にチェックしておき、開業初日をスムーズに迎えられるよう準備しましょう。今回の記事では、レストラン開業の手順や資金調達方法、必要な資格、届出などについて解説します。

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レストランの開業資金は1,000万円が目安

レストラン開業時に用意したい資金の理想は「1,000万円程度」です。2021年11月の日本政策金融公庫による調査では、(飲食店以外も含みますが)開業資金の平均値は「941万円」という結果になりました。

開業したばかりの時期は、家賃の保証金や工事費用、自身の生活費、人件費などが必要になります。上記の初期費用を考慮すると、少なくとも300万円は準備しておくことが理想です。余裕を持たせるのであれば、1,000万円程度は準備しておきましょう。開業直後は赤字期間が続く可能性も高いため、必ず余裕を持たせて資金を準備することが重要です。

参照:2021年度新規開業実態調査

レストラン開業時に必要な資金の内訳

レストラン開業時は、主に以下のような資金が必要になります。

  • 保証金
  • 初期工事費用
  • レストランの運転資金
  • 自身の生活費

保証金

保証金とは、物件の契約時に発生する不動産への支払い金を指します。個人の賃貸で言うところの「敷金」に相当するものであり、退去時の原状回復などに充てられます。

とくに事業用の場合は家賃が高いため、万が一未払いが発生すると不動産側の損失も大きいです。保証金は、敷金としてだけでなく入居者の未払いリスクを軽減するものとしても機能しています。

保証金額は家賃によって変動しますが、半年〜1年分を支払うケースが多いです。初期費用としては、保証金が大きな割合を占めると考えておきましょう。

初期工事費用

内部や外部、厨房、椅子、テーブルなど、お店の改装にも多くの費用がかかります。レストランが広くなるほど改装場所も増えるため、工事費用は膨らむでしょう。

初期工事費用を抑えるのであれば、居抜き物件の活用もオススメです。居抜き物件であれば、以前物件を使っていた事業所の設備や内装を引き継げるため、大幅に工事費費用を削減できます。

レストランの運転資金

レストランの運転資金としては以下が該当します。

  • 家賃
  • 人件費(従業員を雇う場合)
  • 光熱費
  • 材料費
  • 広告宣伝費

レストラン開業当初は赤字の可能性も高いため、最低でも半年分くらいの運転資金の目処を立てておくとよいでしょう。

自身の生活費

自身の生活費も忘れてはいけません。従業員を雇わない場合も、自宅の食費や光熱費、交際費などが発生します。

開業当初はお店にかける費用が大きくなるため、自身の生活費を一度洗い出し、節約できるところはカットすることが大切です。

レストランを開業するときの資金調達の方法

レストランの開業時はさまざまな費用が発生するため、余裕を持った資金調達が必須です。資金調達の方法としては、主に以下3点が挙げられます。

  • 自己資本で賄う
  • 融資を受ける
  • 家族や友人から借金する

自己資本で賄う

自分の貯金などで賄う場合は返済の心配がありませんし、利息も発生しないため最終的な負担額を抑えられます。

しかし現実的に考えると、自身の貯金だけで1,000万円近い開業資金を賄うのは限界があります。自己資本を貯めている間も自身の生活費が発生するため、相当の時間がかかってしまうでしょう。

融資を受ける

多額の開業資金を準備する方法としては「融資を受ける」ということが一般的です。2023年1月現在で、以下のような機関が融資を実施しています。

  • 日本政策金融公庫
  • 銀行
  • 信用金庫
  • 各自治体

融資の場合は、出資と異なり金利も含めた返済義務が発生します。最終的な負担額は多少増えますが、短期間で開業資金を調達する方法としては、融資を受けることが現実的といえるでしょう。融資を受けて多額の資金を獲得できれば、レストランもスムーズに開業できます。

融資を受ける場合は、各機関の定める審査をクリアしなければなりません。融資を受ける審査では、事業計画や売り上げ予測、経費予測などの内容を精査し、返済能力の有無をメインに判断されます。

ただし「融資を受けるから自己資本が0でも問題ない」というわけではありません。あくまでも目安程度ですが、融資を受ける場合は「創業資金に占める自己資本の割合が2割程度」ということが求められます。

参照:日本政策金融公庫

家族や友人から借金する

開業資金を確保する方法としては、周囲の信頼できる人物から借金をするのもひとつの手です。関係性のある人物であれば、レストランの開業を応援してくれるかもしれません。

とはいえお金が絡むことではあるので、返済の見通しを丁寧に説明してから資金を借りましょう。いくら関係性があるとはいえ、返済をうやむやにしてしまうと、人間関係を壊す原因になりかねません。

レストラン開業の具体的な手順

レストランの具体的な開業手順は以下の通りです。

  1. レストランのコンセプト決め
  2. 事業計画作成
  3. 各種届出や資格の取得
  4. メニューや価格の設定
  5. 物件探し
  6. 資金調達
  7. 内装や備品の準備
  8. 仕入先の選定
  9. 従業員の雇用
  10. 集客施策の運用・改善

もちろん、開業手順に絶対のルールはないため、状況に応じて順番を変える必要もあります。あくまでも目安としてご覧ください。

1.レストランのコンセプト決め

レストランの開業前に、必ずお店のコンセプトを決めましょう。コンセプトはレストランの軸となる部分です。軸があることで、開業を進めるにあたり以下のような要素を決定できます。

  • 内装や外観のイメージ
  • メニューの中身
  • レストラン名
  • キャッチコピー
  • 立地
  • 食器の種類
  • メニューの価格設定

例えば「大切な人とゆったり過ごせる空間を提供する」というコンセプトの場合、駅前や都会など騒がしい場所は立地に向かないかもしれません。あえて中心街から離れるという選択肢も取れるでしょう。コンセプトがブレてしまうと、誤った立地選択や価格設定などにつながるため、最初に決めておくことが重要です。コンセプトの明確化は、他社レストランとの差別にもつながります。

コンセプトを明確にする際は「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を意識して策定しましょう。

2.事業計画作成

コンセプトを設計したら、事業計画を策定しましょう。最初に定めたコンセプトが明確であると、内装・メニュー・食器のデザイン・従業員数なども判断できるため、開業までの事業計画に練り込む内容を判断しやすくなります。

とくに金融機関や銀行などから資金調達を行う場合、作成した事業計画の重要度は高いです。融資審査の際に「事業の見通し」「収支予測」「雇用計画」などの具体性をチェックし、現実的に経営できるかを判断されます。

3.各種届出や資格の取得

レストランの開業にあたり、必要な届出や資格を取得しておきましょう。レストランの開業に必要な届出や資格は、酒類の提供有無や収容人数、従業員の雇用有無などに生じて異なります。多くの場合で必須となる資格は「食品衛生管理者」「防火管理者」の2つです。

具体的な資格の取得要件や届出の種類については、「レストラン開業に必要な主な資格は2つ」という項目で詳しく解説します。

4.メニューや価格の設定

レストランを開業するうえでメニューや価格設定は重要です。提供するメニューの良し悪しによってレストランの評価が決まるため、さまざまな観点を参考にしつつ決定しましょう。

メニューや価格を設定する際は、例として以下のポイントを参考にすることがオススメです。

  • 周辺の競合店と照らし合わせた相場
  • 原価率
  • 提供する品数

すべての観点を合わせなくても構いません。レストランのコンセプトに合わせて適切に決めることが大切です。例えば「厳選メニューをじっくり味わってもらう」というコンセプトにしているならば、多少周辺相場より高い価格になっても質で勝負したほうが差別化しやすいでしょう。

開業時であれば、メニュー数を抑えることも視野に入れましょう。最初から品数が多すぎると仕入れ額が膨らみ、資金繰りが困難になるかもしれません。客側としても、メニュー数が多いとお店の得意料理がわかりにくいため、レストランのコンセプトがうまく伝わらず差別化が難しくなります。

5.物件探し

物件を探す際は、以下のようなポイントを押さえて選びましょう。

  • 出店エリア
  • 家賃
  • 周辺の競合店の状況
  • 店内
  • 住民の年齢層
  • 近隣施設
  • 厨房の広さ
  • 内装や外装の雰囲気

レストランのコンセプトを決めておくことで、物件を選びやすくなります。例えば「若者向けなら高校や大学がが多い地域に出店する」「価格帯の高いメニューを提供するのであれば高級住宅街に近い地域に出店する」などです。従業員の有無や収容人数の大小などによって、厨房のスペースも変わります。

ある程度物件の目処が立ったら、施工業者と一緒に内見をしましょう。一緒に内見をしてもらうことで、「予算内で希望の工事はできるか」「希望の設備を設置できるか」などを正しく判断できます。

6.資金調達

資金調達については、自己資本で賄ったり周囲の人間から借金をしたりする方法もありますが、短期間で多額の開業資金を確保するには、融資を受けることが現実的でしょう。

先ほども解説したように、事業計画の具体性が高いほど「安定した経営が期待できる」と判断され、融資を受けられる可能性は上がります。

7.内装や備品の準備

内装や厨房、座席、食器などを準備しましょう。

内装や備品はレストランのコンセプトに合わせて準備することが大切です。例えば「静かに2人で食事ができる」という雰囲気を売りにするのであれば、座席数を少なくしたり仕切りを増やしたりなどの対応が考えられます。

開業の初期費用を抑えるのであれば、居抜き物件を活用することもオススメです。居抜き物件であれば、以前の設備や内装を引き継げるため、工事費用を抑えられます。以前の物件の雰囲気が自身のコンセプトに沿っているのであれば、活用も検討しましょう。

8.仕入先の選定

レストランのコンセプトに沿ったメニューを作るには、内容に応じてふさわしい材料を仕入れなければなりません。例えば「2人でゆったり過ごせる空間を提供する」というコンセプトである場合、雰囲気に合う料理は限られて必要な材料も絞られます。

業務用スーパー等であれば安く仕入れられますが、自身のコンセプトに沿うクオリティの料理を提供するのは難しいかもしれません。コスト面も考えつつ、自分が作りたい料理に見合う材料を提供してくれる仕入れ先を選定しましょう。

9.従業員の雇用

ひとりでお店を回すことが難しければ、従業員を雇用しましょう。雇用する場合は毎月の支払いで人件費の占める割合が増えるため、資金を確保しておくことが重要です。

従業員を雇用する際は、レストラン開店の1ヶ月前を目安に採用活動を始めましょう。早すぎず、遅すぎない時期に採用することで、「直前に辞退される」「オープンに間に合わない」という事態を避けられます。

10.集客施策の運用・改善

レストランをオープンしたら、集客施策にも取り組みましょう。開業当初は話題性もあるため集客しやすいですが、時間が経過すれば徐々に人は減るものです。

来店者に次回訪問を促す仕組み(ポイントカードや割引券など)を作りつつ、SNS運用やHP作成、地域誌への広告出稿、チラシ配布などを通じて継続的に集客できるよう努力しましょう。

「物件探し→資金調達」という順番で実施する

レストランを開業する際は「物件探し→資金調達」という順番で実施することがポイントです。

資金調達の際に金融機関の融資を受ける場合は、事業計画書の内容をチェックされます。融資側としては、物件も含めて具体的な経営の目処が見通せている相手を審査に合格させたいもの。出店エリアや家賃の支払い計画などが決まっている状態であれば、融資を通しやすいでしょう。

もちろん、資金調達が絶対に決まる保証はありません。万が一審査に通らなかったケースも想定して、まずは物件を仮押さえ状態にしておきましょう。

レストラン開業に必要な主な資格は2つ

レストランの開業時に主に必要な資格は、2023年1月現在で以下の2つです。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者

食品衛生責任者

レストランのように飲食物を取り扱うお店を開業する場合、必ず「食品衛生責任者」の資格が必要です。食品衛生責任者の資格取得者がいることで「飲食店営業許可」も取得できます。

具体的な資格の取得要件は以下の通りです。

  1. 以下いずれかの資格を取得している
    栄養士・調理師・製菓衛生師・食鳥処理衛生管理者・と畜場法に規定する衛生管理責任者・作業衛生責任者・船舶料理士・食品衛生管理者
  2. 都道府県知事等が行う「食品衛生責任者になるための講習会」あるいは「都道府県知事等が適正と認めた講習会」を受講して修了している

上記以外の場合は、各都道府県が開催している養成講習会を受講する必要があります。費用は1万円程度です。

参照:一般社団法人東京都食品衛生協会「食品衛生責任者」

防火管理者

レストランの収容人数が、店舗の従業員も含めて30人以上となる場合は「防火管理者」の資格が必要です。防火管理者資格の種類は、店舗の延べ床面積(店舗各階の床面積合計)に応じて、以下2種類に分かれます。

  • 延べ床面積300㎡以上:甲種防火管理者
  • 延べ床面積300㎡未満:乙種防火管理者

防火管理者の資格を取得するには、「都道府県知事・市町村の消防長・日本防火防災協会」のいずれかが開催する防火管理講習の受講が必要です。取得する資格の種類に応じて、受講時間や講習内容が異なるため、事前にチェックしておきましょう。

なお防火管理者については、店舗に対して責任ある立場(店長やオーナーなど)の人物が取得する必要があります。

参照:一般財団法人日本防火・防災協会

製造・販売する内容によって異なる営業許可が必要

レストランを開業する際は、上記の「食品衛生責任者」「防火管理者」以外にも、製造・販売する内容に応じて異なる営業許可が2023年1月現在、必要になります。

例えば「パンやお菓子を販売する」という場合は、菓子製造業の許可も必要です。アイスクリームを販売するのであればアイスクリーム類製造許可が必要ですし、弁当や惣菜の販売にはそうざい製造業も必要になります。

製造・販売する商品の種類に応じて必要な許可証が細かく分類されているため、自身のレストランのメニューと照らし合わせて、適切な資格を取得しておきましょう。

必要な許認可については、以下の記事でも詳しく解説しています。

カフェを開業するために必要な許可は?物件探しや集客のポイントを確認

調理師免許は必須ではない

一方で、レストランの開業にあたって調理師免許は必須ではありません。調理師免許があれば食品衛生責任者の取得要件をひとつ満たせるため、保有していたほうが便利ではあります。とはいえ、わざわざ時間をかけて取得する優先度は低いでしょう。

もちろん、調理師免許を保有して調理の腕前をアピールするという考え方もありです。

提出先別で紹介!レストラン開業で必要な行政への届出

レストランの開業に必要な届出の種類は、運営業態やアルコール提供の有無などによって異なります。必要な届出はいくつかありますが、今回は「届出先別」で主要な届出について解説します。他にも届出はあるため、あくまでも一例としてご覧ください。

なお、各届出については以下3点を解説しています。

・届出名

・対象事業者

・提出期限

保健所

届出名対象事業者提出期限
飲食店営業許可飲食店を運営する全店舗店舗完成の10日程度前
菓子製造業洋菓子や和菓子、あめ、チューインガム、パンなどを製造する店舗
アイスクリーム類製造業アイスクリームやアイスシャーベット、アイスキャンデー、みぞれ等の液体食品、あるいは該当の液体食品に他の食品を混和して凍結させた食品を製造する店舗
乳製品製造業粉乳や練乳、発酵乳、クリーム、バター、チーズ等、乳を主要原料とする食品を製造する店舗
食肉製品製造業ハムやソーセージ、ベーコン等を製造する店舗
そうざい製造業副食物として供される煮物や焼物、揚げ物、蒸し物、酢の物、あえ物等を製造する店舗

参照:
食品衛生の窓食品営業許可安心取得センター

警察署

届出名対象事業者提出期限
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書深夜0〜6時の間にお酒メインで営業する店舗営業開始予定の10日前まで
風俗営業許可申請特定の客に対して、会話やお酌など継続的な接待を行う予定の店舗営業開始予定日の約3ヶ月前が目安(土日祝を除き55日間程度で申請が処理される)

参照:深夜酒類提供飲食店営業(様式一覧), 風俗営業許可申請書類

消防署

届出名対象事業者提出期限
防火対象物使用開始の届出建物や建物の一部を新規で利用する予定の店舗建物を使用する7日前
火を使用する設備等の設置厨房やボイラー、給湯器、ヒートポンプ冷暖房機等、火を使用する設備を設置する店舗設置する7日前程度(自治体ごとに日数が異なるため要確認)
防火対象物工事等計画届出書開業にあたり建築や修繕、模様替え、等の工事を行う店舗工事開始の7日前

参照:東京消防庁「防火対象物の使用開始の届出をしよう」, 東京消防庁「防火対象物の工事等計画の届出をしよう」

労働基準監督署・公共職業安定所・社会保険事務所

以下のついては「従業員を雇う」という限定された場合に必要な書類です。各届出先につき1種類ずつのため、まとめて解説しています。

届出先届出提出期限
労働基準監督署労災保険の加入手続き従業員を雇用した翌日から10日以内
公共職業安定所雇用保険の加入手続き(雇用保険適用事業所設置届)労働者を雇用する事業の開始日翌日から10日以内 
社会保険事務所社会保険の加入手続き原則、雇用した日から5日以内

参照:厚労省「労働保険の成立手続」, 厚労省「第3章 適用事業所についての諸手続」

この情報は、2023年1月現在のものです。

レストラン開業時に活用できる補助金制度

レストランの開業には多額の開業資金が必要なため、補助金も活用して負担を軽減しましょう。レストランに限らず、お店の開業時は2023年1月現在で主に以下3つの補助金を活用できます。

  • 創業補助金
  • 小規模事業者持続化給付金
  • IT導入補助金

補助金の種類は豊富であり、各自治体が運営する助成金などもあるため、開業前に細かくチェックしておきましょう。

創業補助金

創業補助金は、東京都中小企業振興公社が展開している補助金制度です。都内で創業を予定している、あるいは創業後5年未満の中小企業に対して補助金を支給します。

助成限度額上限:300万円下限:100万円
助成率助成対象経費の2/3
助成対象経費賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、人件費等(助成期間中に契約〜支払いまで完了したものに限る)

*上記の情報は、すでに募集を終了している2022年度第2回の募集要項をもとにまとめています。

参照:創業助成金(東京都中小企業振興公社)

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が持続的な会社運営を目的として、経営計画を見直したうえで新規の販路開拓や生産性向上に向けた施策を実施する際に支援してくれる制度です。

取り組む内容に応じて6タイプに分類されているため、自社に合わせたものを選びましょう。

補助限度額通常枠:50万円賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠:200万円インボイス枠:100万円
補助率原則、2/3
助成対象経費機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費等

参照:小規模事業者持続化給付金

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等が業務効率化および売上アップを目的としてITツールを導入する際、発生した経費の一部を補助してくれる制度です。タイプによっては、会計ソフトや受発注ソフトなども補助対象となるため、開業時の設備導入費用を軽減できます。

補助限度額通常枠(A類型):30万~150万円未満通常枠(B類型):150万~450万円以下セキュリティ対策推進枠:5万~100万円デジタル化基盤導入類型:5万~350万円複数社連携IT導入類型:5万~350万円等
補助率通常枠(A・B類型):1/2以内セキュリティ対策推進枠:1/2以内デジタル化基盤導入類型:2/3以内複数社連携IT導入類型:2/3以内等
助成対象経費ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、ハードウェア購入費等

​​参照:IT導入補助金

レストランの開業資金を抑えるコツ

レストラン開業時は多額の資金が必要となるため、できるだけ出費は抑えたいところです。自身の負担を軽減するには、以下の方法も活用してみましょう。

  • クラウドファンディングを活用する
  • 中古設備を活用する
  • 自力で店舗の改装等を行う
  • 居抜き物件を選ぶ

クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングとは、専用のサイト上で自身が実施したい事業や取り組みについての情報を発信し、支援者を募ることで資金を集める仕組みのことです。代表的なサイトとしては「キャンプファイヤー」「READYFOR」などが挙げられます。

クラウドファンディング上でレストランにかける思いや事業概要を説明し共感者を集められれば、開業資金を支援してもらえる可能性はあります。とくに独特のコンセプトや理念を掲げている事業であれば、共感者を増やせるかもしれません。

ただし、クラウドファンディングを利用する場合は、原則としてリターン(支援金額に応じたお返し)が必要です。リターンの内容によっても資金が集まるかは変動するため、利用する際は丁寧に設計しましょう。

中古設備を活用する

開業資金を抑えるためには、中古品の活用も検討しましょう。レストラン内の椅子やテーブル、食器類、インテリアなどを中古で揃えれば資金を抑えられます。中古屋を探すと、新品同然の掘り出し物や改修すれば使える物などが見つかるかもしれません。

ただし、中古品では「店内の雰囲気に合わない」ということもあるため要注意ですしましょう。レストランのコンセプトは差別化要素として重要なため、安く抑えたいからといって雰囲気に合わない備品や設備を使うことは避けましょう。

自力で店舗の改装等を行う

自力で店舗の改装を行えば、工事会社への依頼費用を抑えられます。自身にDIYの知識があるなら店内を自由に改装できるうえに、追加費用なども発生しません。

もちろん、自力で改装するのであれば道具や人手は自分で揃える必要があります。さすがにひとりだけでは改装に時間をかけすぎてしまうため、「本当に自分で行えるのか?」という点は十分考えておきましょう。

居抜き物件を選ぶ

居抜き物件とは、以前の内装や外装、設備などを引き継いでいる物件を指します。以前の物件が使っていた厨房設備や備品を引き継げれば、開業資金は大きく抑えられるでしょう。設備や備品の状態によっては簡単なお手入れのみで使える可能性もあるため、中古品より安上がりかもしれません。

ただし、以前の設備を引き継ぐと、店内の雰囲気も影響を受けるため要注意です。いくら居抜き物件で安いといっても、内装の雰囲気が自分のコンセプトとズレていると、理想通りの経営は難しいでしょう。

居抜き物件を活用する際は、「自身のコンセプトに合っているか」「予算はいくらか」などを考慮することが大切です。

レストラン開業を成功させるにはスムーズな資金調達や資格取得が大切!

レストランの開業を成功させるには、多額の資金を調達して必要な資格もスムーズに取得することが重要です。準備が欠けてしまうと、思うようなオープン初日を迎えられないかもしれません。

事前に必要な資金額や資格を確認しておき、スムーズに開業できる準備を整えておきましょう。Tempodas(テンポダス)では、レストランの居抜き物件も豊富に取り扱いがあります。ぜひ夢を果たすために、ご覧になってみてください。