寿司屋を独立開業・開店するには?開業資金・資格・手続きについて解説

今や世界中で注目を集めている「寿司」。寿司屋の独立開業に憧れている人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし寿司屋を回転するには、1,000万円ほどの資金や「食品衛生責任者」の資格が必要となるので、事前に準備しておく必要があります。本記事では、寿司屋を独立開業するために必要な資金や資格、開業資金を抑えるコツについて解説します。

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寿司屋の独立開業に必要な資金は約1,000万円

寿司屋の独立開業には、1,000万円ほどの資金が必要だといわれています。まずは寿司屋の開業資金について、「イニシャルコスト(初期費用)」と「ランニングコスト(維持費用)」の2つに分けて見ていきましょう。

イニシャルコスト(初期費用)

寿司屋の独立開業・開店には、まず以下のようなイニシャルコスト(初期費用)がかかります。

項目目安費用
厨房機器費用約250万円
厨房工事費用約200万円
カウンター約60万円
業務用エアコン約50万円
看板工事費約60万円
調理機器費用約50万円
物件取得費用約250万円
合計約920万円前後

イニシャルコストの大半を占めるのが、厨房機器や設備の導入、および物件取得にかかる費用です。物件取得費用には、テナントの保証金や不動産仲介手数料などが含まれます。さらに礼金が必要なこともあるので、物件取得費用は多めに想定しておくことが重要です。

さらに、開店前の集客に必要な「広告宣伝費」として、チラシ・ティッシュ・プリントパックなどの販促品を使用する場合は、30万円前後の費用がかかります。ただし、現在ではFacebookやInstagramなどのような、SNS上での宣伝も一般的になっているため、うまく活用すれば広告宣伝費を節約できます。

ランニングコスト(維持費用)

初期費用だけではなく、寿司屋の運営には以下のようなランニングコスト(維持費用)もかかります。具体的な項目と、売り上げに占める一般的なコストの割合を紹介します。

項目売り上げに占める割合(目安)
家賃10%前後
人件費30%前後
食材仕入費40%前後
光熱費など5%前後
公告費など5%前後
合計90%前後

基本的には上記のように、ランニングコストは売上の9割以下に抑えて、利益が1割以上出るようにするのがいいでしょう。ランニングコストの大半を占めるのが「人件費」と「食材仕入費」で、これだけで売上の7割を占めるコストになります。寿司屋はとくに食材仕入費が高くなりがちですが、売上目標の40%以下に抑えることが重要となってきます。

また、利益として残るのが売上の1割なので、たとえば寿司屋を開業して月収30万円を目指すのであれば、毎月300万円以上の売上が必要ということになります。この点を踏まえて、開業前にあらかじめコストシミュレーションを行っておきましょう。

寿司屋を開業するために必要な準備

寿司屋を開業するためには、以下4つの準備を行う必要があります。

・資金調達を行う

・食品衛生責任者の資格を取得する

・飲食店営業許可の届け出を行う

・立地の検討と物件探しを行う

資金調達を行う

前述したように、開業資金として1,000万円ほど用意しておく必要がありますが、それだけでは開店後に経営が苦しくなる可能性が高いです。なぜなら、開業から半年くらいはどうしても売上が安定せず、赤字になることが多いからです。そのため、開業資金とは別に300万円以上の「運転資金」を用意できれば、より安定して寿司屋を運営しやすくなるでしょう。

食品衛生責任者の資格を取得する

寿司屋をはじめとした飲食店には、最低でも1人以上の「食品衛生責任者」を置く必要があります。食品衛生責任者になるために、自治体が行う「講習会」に参加し、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。個人で寿司屋を開業する場合は、オーナー自身が取得することが一般的です。食品衛生責任者の詳細については、以下のサイトをご確認ください。

食品衛生責任者について

飲食店営業許可の届け出を行う

飲食店を開業するときは、どの業態でも「飲食店営業許可」の取得が必要です。ただし、飲食店営業許可を取得するために、食品衛生責任者の資格が求められます。そのため、まずは前述したように講習会に参加して食品衛生責任者を取得してから、管轄の保健所に申請しましょう。

立地の検討と物件探しを行う

寿司屋の開業を成功するためにとくに重要なのが、適切な立地と物件を選ぶことです。店舗のコンセプトやターゲット層に合わせて、テナントの立地や広さがイメージと合うか、必要な設備を設置できるかを検討しましょう。テナント賃料については、前述したように売上目標の1割以内に収まるのが理想的です。

寿司屋の開業に適した立地は、店舗の立地によって異なります。たとえば、リーズナブル指向の「回る寿司屋(回転寿司)」の場合は、駅前やロードサイドなど、わかりやすくアクセスしやすい場所が最適。一方、高級志向の「回らない寿司屋」の場合は、商店街や住宅地への抜け道など落ち着いた場所が良いでしょう。

寿司屋を開業するときの注意点

寿司屋を開業するときは、以下4つのポイントに注意しましょう。

・店舗のコンセプトを設定する

・寿司職人を確保する

・寿司の仕入れ先を確保する

・固定客を獲得する

店舗のコンセプトを設定する

寿司屋には、店舗ごとにさまざまな「コンセプト」があります。とくにわかりやすいのは、「大衆路線」か「高級路線」でしょう。大衆路線は主に「回る寿司」、高級路線は「回らない寿司」になります。これだけでも、ターゲット層・必要な設備・適した立地など、開業時に考慮すべき条件が大きく変わります。

明確なコンセプトを設定できない場合は、顧客のターゲット層を先に考えると、コンセプトも必然的に決まるでしょう。たとえば、ファミリー層をメインターゲットとするのであれば、必然的に立地は目立ちやすい・アクセスしやすい場所になり、価格帯は低めになるはずです。

寿司職人を確保する

どれだけ魅力的な店舗や設備を用意しても、寿司職人がいなければ寿司屋の経営は成り立ちません。そのため、寿司屋を開業する前に、必ず寿司職人を確保しておきましょう。ただし、高級路線の店舗を開く場合はとくに優秀な寿司職人が必要なので、どのように求人・採用するかを含めて考えることが重要です。

寿司の仕入れ先を確保する

寿司屋はネタの「質」と「値段」がとにかく重要です。良いネタを安く仕入れるためにも、独自の仕入れ先を確保しておく必要があります。前述したように、寿司屋は食材仕入費が売上の4割前後を占めるので、仕入れ先はランニングコストを大きく左右します。良い仕入れ先が見つかれば、競合店に負けない安定した経営が行いやすくなるでしょう。

固定客を獲得する

開業後に安定した経営を行うには、固定客の獲得が欠かせません。競合店より自店舗を顧客に選んでもらうためには、自店舗にしかない「魅力」が必須です。店舗のコンセプトによってさまざまですが、たとえば良質なネタやオリジナルメニュー、もしくはお得なポイントやクーポンなどの仕掛けが効果的です。

寿司屋の開業資金を抑えるためのコツ

寿司屋の開業には多額の資金が必要ですが、「補助金」や「居抜き物件」を利用することで、開業資金を抑えることができます。

補助金を利用する

寿司屋の開業資金について不安がある場合は、自治体などで利用できる「補助金」も検討してみましょう。自治体によって利用できる補助金は異なりますが、開業資金の負担を軽減できる場合もあります。ただし、事業計画書などの書類が必要なケースが多いので、事前準備が欠かせません。

居抜き物件を利用する

前述したように、イニシャルコストの半分近くを占めるのが、寿司屋の内装や設備などの準備費用です。その費用を抑えるために、「居抜き物件」が役立ちます。居抜き物件とは、前のテナントの設備が残った物件を指します。居抜き物件は通常の物件より割高ですが、すでにある設備を引き継げるため、トータルコストを低く抑えられます。

まとめ

寿司屋の独立開業には、1,000万円ほどの開業資金が必要だといわれています。その大半を占める設備費を抑えるために、「居抜き物件」の利用がおすすめです。前の寿司屋テナントの設備を引き継げるので、開業資金を大幅に抑えられることもあります。

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