新宿で店舗を出店するメリット!人気の店舗や開業資金を抑えるコツも解説
「新宿」は日本有数の歓楽街がある大都会です。歌舞伎町をはじめ、新宿三丁目や西新宿など広大な範囲に飲食店が立ち並び、常に人であふれています。まさに「眠らない街」といっても過言ではないでしょう。
だからこそ、「新宿で店舗を出店したい」という人も多いはず。実は、新宿のテナント賃料は、東京のほかの繁華街と比べると比較的リーズナブル。本記事では、新宿で店舗を出店するメリットや開業資金などについて解説します。
新宿で店舗を出店するメリット
新宿で店舗を出店するメリットには、主に以下5つのものがあります。
- アクセスが非常によく人通りが多い
- 夜間に稼働する店舗を運営しやすい
- 多様な人が集まるので集客しやすい
- 曜日・時間帯・顧客層に囚われない
- ほかの歓楽街と比べてリーズナブル
アクセスが非常によく人通りが多い
新宿に店舗を出店する大きなメリットが、アクセスが良くて人通りが多いことです。新宿は東京23区の中心的スポットなので、区外からも多くの人が訪れます。新宿駅には、JR東日本・京王電鉄・小田急電鉄・東京メトロ・都営地下鉄などの路線が乗り入れており、乗降客数はギネス世界記録に認定されるほど多いです。
つまり、新宿に店舗を出店すると、それだけ多くの人を対象にビジネスができるため、販売機会も多く生まれやすくなるということです。店舗を開業してまず苦労するのが「集客」ですが、新宿は顧客の「パイ」自体が大きいため、集客のしやすさという点では大きなアドバンテージがあるといえるでしょう。
夜間に稼働する店舗を運営しやすい
新宿は繁華街なので、夜間にも多くの人が訪れます。そのため、居酒屋・バー・バルなど夜間に営業する店舗の出店に、とくに向いているエリアだといえます。訪れる顧客層もさまざまなので、夜間に営業する形態の店舗であっても、販売機会を得やすいことが魅力です。
多様な人が集まるので集客しやすい
新宿は繁華街であると同時に、住宅街・ビジネス街でもあるので、学生やビジネスパーソンはもちろん、行政や医療関係など多様な人々が集まります。どれだけ魅力的な店舗を開業したとしても、「ターゲット層」が店舗に訪れなければ十分な販売機会が得られません。新宿は人口も来街者も多いうえに、さまざまな人が集まるため、集客のチャンスが多いことが魅力です。
曜日・時間帯・顧客層に囚われない
店舗を開くエリアによっては、曜日や時間帯で人通りに大きな違いが出ることは珍しくありません。また、特定の顧客層に人気が高く、ほかの層はあまり訪れないというエリアもあります。たとえば、「夜になると人通りが減る」「学生に人気が高いがビジネスパーソンはあまり訪れない」などです。こうしたエリアでは、店舗のターゲット層の設定によっては販売機会が限定されたり、そもそも出店するのが難しいこともあります。
一方で、前述したように新宿にはさまざまな人々が集まるため、曜日や時間帯に限らず一定の顧客流入を確保しやすいことが魅力です。たとえば、学生のランチや主婦のティータイム、サラリーマンの飲み会など、それぞれの時間帯にビジネスチャンスがあります。
ほかの歓楽街と比べてリーズナブル
意外なことに、新宿は東京のほかの繁華街と比べると、テナントの賃料が比較的リーズナブルな傾向にあります。平均的な物件の場合は、坪単価2万円台の中盤~3万円ほどで公開される物件が多いです。これは、新宿と同じく繁華街として有名な渋谷より割安な水準です。ただし、人気の場所は坪単価が大幅に高くなることもあります。
新宿で店舗を出店するデメリット
新宿で店舗を出店する際は、以下3つのデメリットに注意が必要です。
- エリアによってはテナント賃料が高い
- 基本的に人件費が高い傾向にある
- 競合店の多いため差別化に苦労する
エリアによってはテナント賃料が高い
前述したように、新宿のテナント賃料は東京のほかの繁華街と比べれば比較的リーズナブルな傾向がありますが、エリアによっては坪単価10万円など非常に高額なことがあります。たとえば、新宿駅周辺や歌舞伎町などは、新宿内でもとくに人気が高いエリアなので、テナント賃料は高額です。
また、エリアによって「顧客単価」が大きく変わることにも注意が必要です。たとえば、オフィスや住宅などが混在するエリアなら、経済的に余裕がある中高年齢層をターゲットとして取り込めるので、顧客単価を引き上げることができます。一方で、若年層が多いエリアの場合は顧客単価の引き上げが難しいので、開店後の費用回収に時間がかかるかもしれません。
基本的に人件費が高い傾向にある
新宿は大都市圏ということもあり、基本的に人件費が高めです。ほとんどの業種では、ランニングコスト(運営資金)の多くを人件費が占めます。人件費が増えると経営を圧迫しかねないので、アルバイトなどを雇う場合は、事前にコストシミュレーションをしっかり行っておく必要があるでしょう。
競合店の多いため差別化に苦労する
新宿には、すでに多くの店舗が出店しているため、必然的に競合店との競争も熾烈になります。そのため、開店後すぐに閉店してしまう店舗も少なくありません。これは、たとえ人通りが多いエリアであっても、他店との「差別化」ができなければ「競合負け」が生じ、収益を確保することが難しくなるからです。
競合負けを防ぐためには、メニューのオリジナリティーや店舗の雰囲気など、競合に勝てる部分をアピールすることが重要です。さらに、一度獲得した顧客がもう一度自店舗を訪れるように、「リピーター」獲得のための施策の実践も欠かせません。
新宿では「居酒屋」「ダイニングバー」「カフェ」などの店舗が人気
新宿にはさまざまな店舗が出店していますが、最も出店数が多いのは飲食店です。そのなかでも、「居酒屋」と「ダイニングバー」が圧倒的に多いことが特徴であるといえます。これは、大手企業のチェーン店が、こぞって新宿エリアに出店していることが理由です。そのほかには、カフェや和食なども多く出店しています。
ただし、「炉端焼き」や「クラフトビール」など、個性的な分野やメニューで勝負する店舗が多いことも事実です。大規模なチェーン店や競合店にはない「個性」を打ち出すことができれば、ニッチなジャンルでも「顧客に選ばれる店」になることは可能です。
新宿は、エリアによって店舗の傾向が異なります。ここでは、新宿のなかでも飲食店の出店数がとくに多い、「新宿三丁目」「新宿御苑」「新宿南口」「歌舞伎町」の4つのエリアの特徴を見ていきましょう。
新宿三丁目エリア
「新宿三丁目」は、バル文化が急成長したという背景があり、気軽に入れる「スタイリッシュな飲食店」が多く出店しています。たとえば、デザインにこだわった開放的なバルや、隠れ家的なイタリアンレストランなどです。平日の昼間から賑わっているので販売機会が多く、出店するメリットが大きなエリアだといえるでしょう。
新宿御苑エリア
「新宿御苑」は、新宿駅から徒歩、もしくは東京メトロ丸ノ内線でアクセスできる便利なエリアです。このエリアには、フレンチやイタリアンのレストランに加えて、ワンコインの立ち飲み屋などさまざまな飲食店が出店しています。オフィス街ということもあって大人の雰囲気が漂っており、基本的には「高級志向」の飲食店の出店に向いているエリアです。
新宿南口エリア
「新宿南口」には、「バスタ新宿」に併設された「NEWoMan(ニュウマン)」という商業ビルがあり、そのなかに飲食店エリアがあります。ここには、30代から40代の女性をターゲットにした、おしゃれで洗練された飲食店が立ち並んでいます。アクセスの良さも抜群なので、大人の女性をターゲットとした飲食店の開店に向いているエリアです。
歌舞伎町エリア
「歌舞伎町」は、日本屈指の繁華街で、「眠らない街」として有名です。そのため、基本的には居酒屋やバーなど、夜間・深夜に営業する店舗の出店に適したエリアです、ただし、競争が激しいエリアなので、開店から短期間で閉店してしまう店舗も少なくありません。
ちなみに、歌舞伎町エリアでは近年取り締まりが厳しく行われているため、「夜の街」というイメージから変化しつつあります。そのため、ランチタイムや女子会向けの飲食店など、昼間でも気軽に楽しめる店舗も増えています。多様化が進む歌舞伎町は、将来性が高いエリアであるともいえるでしょう。
新宿で店舗を出店するには「飲食店営業許可」の取得が必須
新宿で飲食店を出店するためには、以下3つの資格と手続きが必要です。また、「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出すると、税制上の優遇措置が受けられるので、こちらも必ず開店前に手続きを済ませておくようにしましょう。
- 「食品衛生責任者」を取得する
- 食品衛生法の設備基準を満たす
- 「飲食店営業許可」を取得する
- 「深夜営業許可」を取得する
「食品衛生責任者」を取得する
飲食店の出店には、後述する「飲食店営業許可」の取得が必須です。そのためには、「食品衛生責任者」の有資格者を店舗に配置する必要があります。個人開業の飲食店の場合は、基本的にはオーナー自らが食品衛生責任者の資格を取得します。
食品衛生責任者の役割は、店舗の衛生管理を徹底して、食中毒などのトラブルを未然に防ぐことです。調理師免許や栄養士の資格がない場合は、自治体が開く「食品衛生責任者養成講習会」を受講する必要があります。基本的には、この講習会は予約制なので、飲食店の開業を決めたら早い段階で受講しておきましょう。
ただし、すでに開店時期が迫っていて受講が間に合わない場合は、開店から3か月以内に食品衛生責任者を取得すれば問題ありません。
食品衛生法の設備基準を満たす
飲食店を開業するときは、事前に保健所の検査を受ける必要があります。エリアによって若干の違いはありますが、以下のポイントを満たせば、食品衛生法の設備基準を満たすことができます。
- 厨房は仕切られた区画にあり、清掃しやすい構造である
- 厨房内とトイレ内には、基準を満たす手洗い器がある
- 厨房内には、冷蔵庫や食洗器など必要な厨房機器がある
- 食器を入れるための、扉付きの食器棚を設置している
- 冷蔵庫や冷凍庫に温度計を設置している
- 厨房内のゴミ箱に蓋が付いている
- シンクの蛇口からお湯が出る
これら以外にも、保健所の検査にはさまざまな項目があります。不安な場合は、事前に保健所に問い合わせを行い、万全の対策を講じてから検査を受けるようにしましょう。
「飲食店営業許可」を取得する
食品衛生責任者の取得や、保健所の検査基準を満たすための準備が整ったら、新宿区を管轄する「新宿保健所」で「飲食店営業許可」の申請を行いましょう。必要書類などの詳細については、新宿区のホームページでご確認ください。営業許可申請書や施設・設備の図面、水質検査成績書などが必要になります。なお、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を利用すると、飲食店営業許可のオンライン申請も可能です。
「深夜営業許可」を取得する
深夜に営業する店舗を出店する場合は、前述した飲食店営業許可の取得後に、「深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業開始届)」の申請も必要です。深夜営業許可の申請は、管轄の警察署で行いますが、新宿はエリアによって管轄の警察署が異なるので、事前に警視庁のホームページで確認しておきましょう。
新宿の平均的な「坪単価」は30,000円前後
2022年現在、新宿の平均的なテナントの坪単価は29,503円となっています。新宿と同じく大規模な繁華街である渋谷は、平均坪単価が35,910円なので、それと比べると少し割安ではあるといえるでしょう。最高坪単価は99,429円・最低坪単価は7,257円で、テナントの場所として最も多いのが地上1階となっています。
なお、新宿で飲食店を出店するために必要な開業資金は、およそ1,000万円前後だといわれています。初期費用として必要なものは、「物件取得費」「内装工事費」「設備・備品費」などです。さらに、開店後も「テナント賃料」「光熱費」「人件費」などのランニングコストがかかります。そのため、開業前に入念なコストシミュレーションを行っておくことが重要です。
新宿での開業資金を抑えるコツは「補助金」と「居抜き物件」
新宿で店舗を出店するときに、大きな課題になるのが開業資金でしょう。多くのケースでは、内装工事費や設備・備品費がその多くを占めるので、これをいかに安く抑えるかが重要です。そのため、「補助金」や「居抜き物件」などを活用するのがおすすめです。
「補助金」や「助成金」を利用する
開業資金に関する不安がある場合は、経済産業省・中小企業庁・商工会議所・各地方自治体などが提供する、「補助金」を利用してみましょう。補助金は審査基準は厳しいですが、審査に通れば高額な資金が返済不能で得らることが魅力です。ただし、補助金は後払い制で、入金まで半年以上かかることがデメリットです。代表的な補助金として、「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」などがあります。
一方で、厚生労働省や都道府県労働局などが、雇用を対象として行うのが「助成金」です。基本的には正社員雇用が対象となりますが、条件さえ満たせば必ず支給されることがメリットです。ただし、補助金と同じく後払い制で、入金に1年以上かかることがあるので注意が必要です。代表的な助成金には、「キャリアアップ助成金」や「人材開発支援助成金」などがあります。
「居抜き物件」を利用する
テナントの内装工事費や設備・備品費を抑えたい場合は、「居抜き物件」を活用するのがおすすめです。居抜き物件とは、前のテナントの内装や設備をそのまま受け継ぐことができる物件を指します。テナントの賃料自体は、通常の「スケルトン物件」より割高ですが、改修の必要性が少ない物件が見つかれば、開業資金を大幅に抑えられる可能性があります。
まとめ
新宿は日本有数の繁華街ということもあり、飲食店などの店舗の出店に最適なエリアです。一方で、エリアによってはテナント賃料や人件費が割高になることがあります。開店後の経営を安定させるためにも、開業資金を抑えることが重要です。そこで、内装工事費や設備・備品費を大幅に節約できる可能性がある、「居抜き物件」を活用してみてはいかがでしょうか。
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