池袋は店舗の出店に魅力的!必要な手続きや開業資金を抑えるコツも解説

「池袋」は東京都のなかでも飲食店の店舗数が多いエリアです。とくに池袋駅は有数のターミナル駅なので、集客がしやすく出店エリアとして魅力的です。店舗の種類も非常に多く、さまざまなジャンルで勝負ができるエリアでもあります。今回は、池袋で店舗を出店する魅力や必要な手続きに加えて、開業資金を抑えるコツについても解説します。

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池袋に出店する魅力は「集客のしやすさ」

池袋は東京都内のなかでも、飲食店の店舗がとくに多いエリアです。その理由は「集客のしやすさ」にあります。JR山手線・埼京線・東京メトロなど多くの路線が乗り入れるターミナル駅なので、1日あたりの乗降者数が約260万人を超えるなど非常に多く、幅広い顧客層にアピールできます。また、池袋はさまざまな文化・芸術の発信地であるうえに、今後の改革でさらなるビジネスチャンスの拡大が期待できるエリアです。

一方で、池袋はさまざまな飲食店が出店しているため、競争が厳しいことはデメリットだといえるでしょう。池袋で飲食店を経営するためには、綿密なターゲット設定が必要になります。ターゲットの設定例については後述します。

池袋は文化・芸術の一大発信地

豊島区にある池袋は、文化・芸術の一大発信地です。乙女ロードをはじめとするアニメ・漫画・ゲームの店舗があり、2020年には南長崎に漫画の聖地「トキワ荘」が復活しました。だからこそ池袋には、さまざまな人が訪れ、飲食店に対する来街者の需要も高いエリアなのです。

また、池袋駅周辺は「東口」と「西口」で雰囲気が大きく異なります。東口には、サンシャイン通りを中心にショッピングセンターが点在しており、アニメグッズ点も多いため若者に人気があります。一方で西口は、ロマンス通りを中心とした芸術・大人の街が広がっていることが特徴です。

池袋は今後の発展でビジネスチャンスがさらに広がる

池袋は、飲食店をはじめとする店舗の出店で、ますます人気が高まりつつあります。さらに、豊島区は池袋を「より訪れやすい街」にするために、さまざまな改革を進めていることもポイントです。

これまで池袋では、明治通り・グリーン大通りの一部・サンシャイン60通りなど、人通りが多い場所で回遊性が著しく低下するなどの問題がありました。そのため、歩行者ネットワークの形成や、「IKEBUS(イケバス)」をはじめとする公共交通機関の拡充など、豊島区はさまざまな改善を行っています。池袋の利便性や回遊性が高まることで、来街者がさらに増え、販売機会の拡大など将来性も期待できます。

池袋はテナント賃料が比較的割安な水準

池袋は東京のほかの繁華街と比べて、テナント賃料が比較的割安な水準であることも魅力です。2022年時点で、豊島区の飲食店向けテナント賃料の平均値は、28,033円です。これは、新宿区の29,492円・渋谷区の35,910円と比べると割安な水準であるといえます。もちろん、池袋でもエリアによって違いはありますが、東京で飲食店を出店するにあたり、池袋は魅力的な選択肢になるでしょう。

池袋で店舗を出店するために必要な資格・手続き

池袋で店舗を出店するためには、以下3つの資格と手続きが必要です。

  • 「食品衛生責任者」を取得する
  • 食品衛生法の設備基準を満たす
  • 「飲食店営業許可」を取得する

「食品衛生責任者」を取得する

池袋で飲食店を出店するために「飲食店営業許可」の取得が必須ですが、その申請の前に「食品衛生責任者」の資格を取得しておく必要があります。この資格は、飲食店の衛生状態を適切に管理し、食中毒などの事故を防ぐ能力があることを示します。

個人で経営する飲食店の場合は、オーナー自らが食品衛生責任者を取得する必要があります。食品衛生責任者は、自治体などが開く「食品衛生責任者養成講習会」を受講すると取得可能です。豊島区における食品衛生責任者の情報については、公式ホームページをご確認ください。

食品衛生法の設備基準を満たす

飲食店営業許可を申請する際は、保健所が行う検査を通過する必要があります。エリアによって若干の違いはありますが、以下のような基準を満たすことが求められるので、事前に確認しておきましょう。

  • 厨房は仕切られた区画にあり、清掃しやすい構造である
  • 厨房内とトイレ内には、基準を満たす手洗い器がある
  • 厨房内には、冷蔵庫や食洗器など必要な厨房機器がある
  • 食器を入れるための、扉付きの食器棚を設置している
  • 冷蔵庫や冷凍庫に温度計を設置している
  • 厨房内のゴミ箱に蓋が付いている
  • シンクの蛇口からお湯が出る

そのほかの項目もあるため、自店舗の設備基準について不安がある場合は、事前に保健所に問い合わせを行っておくといいでしょう。

「飲食店営業許可」を取得する

以上のステップが完了したら、豊島区を管轄する池袋保健所で「飲食店営業許可」の申請を行いましょう。必要書類などの詳細については、豊島区のホームページでご確認ください。営業許可申請書に加えて、施設・設備の図面や水質検査成績書などが必要になります。なお、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を使用すると、飲食店営業許可のオンライン申請もできます。

深夜に営業する店舗の場合は「深夜営業許可」も必要

バーやクラブなど、深夜に営業する店舗を池袋で出店する場合は、飲食店営業許可と合わせて「深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業開始届)」の申請も必要です。深夜営業許可の申請は、店舗のエリアを管轄している警察署で行いますが、豊島区はエリアによって管轄の警察署が異なります。詳細は警視庁のホームページでご確認ください。

激戦区・池袋で成功するためコツは「ターゲット設定」

池袋はたくさんの飲食店が立ち並ぶ「激戦区」です。そこで生き残るためには、店舗の「コンセプト」を決めて、顧客の「ターゲット層」を絞り込むことが重要です。たとえば以下4つのコンセプトは、どのジャンルの店舗でもコンセプトにしやすいでしょう。

  • 味にこだわるグルメ向け
  • 熱狂的な「フリーク」向け
  • ガッツリ食べたい住人向け
  • グッズ店などを巡る女性向け

味にこだわるグルメ向け

池袋は飲食店の激戦区だからこそ、味にこだわるグルメ客も多いです。とにかく味を追求したメニューを提供すれば、グルメな顧客を取り込むことができるでしょう。

ちなみに、自店舗のコンセプトを「グルメ向け」にする場合は、提供するメニューを「絞り込む」のがおすすめです。たとえばラーメン店の場合は、基本的にラーメンとライスのみにして、ギョーザやチャーハンは作らないなどです。ラーメン自体も複数の味を用意するのではなく、種類を限定するのがいいでしょう。

メニューを増やしすぎると、料理の品質が不安定になることがあります。自店舗のコンセプトに合うメニューを絞り込むことで、そこに全力投球して、グルメ客が満足するメニューを提供できるようになります。

熱狂的な「フリーク」向け

そのジャンルの食べ物に目がない、いわゆる「フリーク」向けのコンセプトです。たとえば、池袋にラーメンを食べるために行くという人は多いです。先ほどのグルメ向けと似ていますが、フリーク向けは顧客による口コミ拡散や、SNSによる自発的な情報発信が重要になります。

マニアな顧客は、気に入った店舗の情報をSNSなどで共有する傾向があります。偶然訪れた顧客の味覚を満たすことができれば、SNSで自店舗の魅力を拡散してくれるため、より多くの顧客を呼び込めるようになるでしょう。

自店舗のSNSアカウントを運用して、画像と合わせてこだわりメニューの魅力を伝えるのも効果的です。個人経営・小規模な店舗では、大規模な広告を打つのは困難なので、SNSの活用が最も現実的な集客手段となります。うまくいけば、口コミが新たな口コミを呼び、連鎖的な集客効果が得られます。

ガッツリ食べたい住人向け

池袋は歓楽街であると同時に、住宅街・ビジネス街でもあります。そのため、「池袋駅の周辺でいつも食べる」という人も多いです。一般的な住人やビジネスパーソンをターゲット層にする場合は、とにかく「低価格でたくさん食べられる」ことが重要です。

たとえばラーメン店の場合は、麺の増量やライスが無料などのサービスを提供すると、顧客満足度を高めることができます。ラーメン店以外では、丼物のライスを無料で大盛りにできるなどです。もちろん、コストとの兼ね合いはありますが、顧客単価が低くても多くの顧客を取り込むことができれば、「コスパ抜群の飲食店」として成功することができるでしょう。

グッズ店などを巡る女性向け

池袋には、女性向けのアニメグッズや同人誌などを扱うショップが点在する、「乙女ロード」というエリアがあります。秋葉原や中野にも同様の場所はありますが、乙女ロードの特徴はとにかく女性客が多いことです。乙女ロードでグッズを楽しんだあとで、飲食店を利用するというのがよくあるパターンです。

そのため、「女性向け」をコンセプトにするのも、魅力的な選択肢になります。たとえば、プリンや杏仁豆腐などのデザートメニューや、ユーグレナなど美容成分を配合したメニューを導入することで、グッズ店に訪れる女性客を取り込みやすくなるでしょう。

池袋で出店するために必要な開業資金は1,000万円前後

池袋で店舗を出店するためには、1,000万円前後の開業資金が必要になります。初期費用として必要なものは主に以下6つで、立地・規模・内装へのこだわりなどによってコストは変動します。

  • 物件取得費
  • 内装工事費
  • 厨房機器費
  • 空調設備費
  • 設備や備品
  • 広告費

また、開店後も「テナント賃料」「光熱費」「人件費」などさまざまな費用がかかるので、初期費用と合わせて半年分ほどの運転資金も準備しておくことが重要です。

開業資金の大半を占めるのが内装・外装工事

店舗の開業資金の大半を占めるのが、内装・外装工事です。さらに、設備や備品の費用も加えると、それだけで開業資金の半分以上になってしまうでしょう。そのため、これらの費用をいかに抑えるかが、開業資金を抑えるために重要です。

前述したように、池袋で店舗を出店するときは、初期費用と合わせて一定の運転資金もあらかじめ準備しておく必要があります。開業資金を抑えることができれば、それだけ資金的な余力が残るので、開店後に思うように利益が出ない場合でも、余裕をもって対処できるようになります。

池袋での開業資金を抑えるコツは「補助金」と「居抜き物件」

池袋での開業資金を抑えるために、「補助金」と「居抜き物件」を活用するのがおすすめです。

「補助金」や「助成金」を利用する

池袋で店舗を出店するための開業資金に不安がある場合は、「補助金」や「助成金」を利用してみましょう。補助金は、経済産業省・中小企業庁・商工会議所・各地方自治体などが提供しており、「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」などの種類があります。審査基準は厳しめですが、認可されると高額な資金が得られます。

一方、助成金は厚生労働省や都道府県労働局などが提供しており、主な種類は「キャリアアップ助成金」や「人材開発支援助成金」などです。こちらは基本的に正社員雇用が条件となりますが、条件を満たせば必ず支給されます。

ただし、補助金と助成金はいずれも「後払い制」で、入金までに半年から1年ほどかかることが一般的です。そのため、仮に補助金や助成金を利用するとしても、当面は自己資金や融資でまかなわないといけません。開業資金を根本的に減らしたい場合は、後述する「居抜き物件」の活用がおすすめです。

「居抜き物件」を利用する

前述したように、開業資金の大半を占めるのが、テナントの内装工事費や設備・備品費です。開業資金を抑えるためには、これらの費用を節約するための工夫が欠かせません。そこで、「居抜き物件」の活用がおすすめです。

居抜き物件は、前のテナントの内装や設備をそのまま受け継ぐことができる物件です。たとえば、ラーメン店を出店したい場合は、前にラーメン店が入っていたテナントを利用します。居抜き物件の大きな魅力は、内装工事や設備・機材の導入などを行わなくても、店舗を開業できることです。劣化が少なく、改修工事がほとんど不要な居抜き物件が見つかれば、開業資金を大幅に抑えられる可能性があります。

まとめ

池袋には、魅力的なエリアが広がっているうえに、今後の再開発で利便性・回遊性がより高まることが期待されています。そのため、池袋は飲食店などの店舗の出店に最適なエリアです。一方で、池袋は飲食店の激戦区なので、開店後の経営を安定させるためにも開業資金を抑えることが重要です。そこで、内装工事費や設備・備品費を大幅に節約できる可能性がある、「居抜き物件」を利用してみてはいかがでしょうか。

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