個人事業主のやることリスト!手続きは?資金管理はどうする?に答えます

個人事業主になるためには、手続きが必要です。また、個人事業主としてこれから事業を継続して行っていくのであれば、決めておきたいことも多くあげられます。そこでこの記事では、手続きなど個人事業主になるためにやることをリスト化しました。ご一読いただき、今後の事業にお役立てください。

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行動を起こす前に見るべき個人事業主のやることリスト6つ!

まず、やるべきこと6つを見ていきましょう。

1:副業で開業するなら会社の就業規則をチェック

雇用されている状態で、副業として個人事業主を目指すのであれば、会社の就業規則を確認しておきましょう。会社員(従業員)の立場での副業を制限するような法律はありませんが、社則で副業を禁止しているケースもあります。

会社が副業を禁止していている場合、こっそり始める方もいますが、後々のトラブルに発展する恐れがあるため、こうした行動は避けたほうが賢明です。副業の内容によっては、会社と話し合うことでOKが出る場合もあるかもしれません。会社の就業規則で副業が禁止されている場合には、社内で信頼できる上司や責任者などに相談してみてください。

2:国民健康保険に加入する

勤めていた会社を辞め、個人事業主(フリーランス)になる場合は、社会保険を脱退し、国民健康保険に加入する手続きが必要です。法人用の社会保険は、退職日の翌日に加入資格が喪失します。退職日の翌日から数えて14日以内に、自ら国民健康保険の加入手続きをしなければならないので、区市町村の窓口で、早めに手続きしておきましょう。

国民健康保険には、組合もいくつか存在しており、自身に合った保険に加入することもできます。例えば、クリエイター系の個人事業主であれば、「文芸美術国民健康保険」(文美国保)に加入できるかもしれません。

特定の加盟団体に所属する必要がありますが、一般的な国民健康保険よりも、保険料がお得になるケースもあるので、デザイナーやイラストレーター、コピーライターやカメラマンとしてフリーランスになる方は、区市町村の窓口で相談してみてください。

3:開業届を税務署に提出する

開業届の正式名称は、「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。事業開始日から1ヶ月以内に納税地を所轄する税務署への提出が原則です。開業届は、氏名や生年月日、納税地や職種、屋号など、個人事業の内容を記載する、シンプルな提出書類です。提出をしなかった・忘れたという場合も罰則はありませんが、今後の事業展開や税制面でのメリットも多いため、忘れずに提出しておきましょう。

開業届の書類は、所轄の税務署で直接受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードも可能です。また、開業届を提出すると同時に、青色申告承認申請書を提出することもできます。より多くの税控除を受けたい場合は、同時に青色申告の申し込みもしておきましょう。新規開業で青色申告をしたい場合は、開業届と合わせて、事業開始日から2ヶ月以内に提出する必要があります。

4:利用できる補助金や助成金がないかチェックする

個人事業主にとって、開業時の資金調達は難しい問題となるかもしれません。開業時に資金が必要な場合に備えて、国や地方団体から用意されている、開業・創業向けの補助金や助成金の制度をチェックしておきましょう。

実績のない時期は、融資がなかなかおりないことも多いようです。開業時の資金調達や、事業の運転資金が足りなくなることもあるため、基本的に返済する必要のない補助金や助成金を上手に利用していきましょう。

ただし、補助金や助成金は融資と異なり、すぐに現金が受け取れるわけではありません。支給まで時間がかかる場合や、一定期間の条件を満たす必要があるケースもあるため計画性が重要です。応募や締め切りの時期も含め、こまめに情報をチェックしておきましょう。

5:許認可の申請をする

事業内容によっては、各所管官庁からの許認可が必要になります。許認可の得やすい順に、認可・届出・登録があり、業種によって所管官庁が異なるため注意してください。例えば、運送業なら運輸局長、タクシー業なら国土交通大臣、飲食店なら保健所の許可が必要です。そのほか、クリーニング店や美容室なら保健所への届出が必要になっています。

確定申告や納税手続きの際、許可や届出なしが判明すると、処分を受ける可能性があります。個人事業主・フリーランスとして事業を展開する際は、どのような認可・届出・登録が必要かを必ずチェックして、手続きを済ませておきましょう。

6:確定申告の準備を行う

個人事業主は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、原則として翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を所轄税務署に提出しなければなりません。(2022年12月21日執筆時点)確定申告には、簡易な書類で済む白色申告と、複式簿記が必要な青色申告があるため、後ほど詳細を解説します。

できれば、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出し、管轄税務署が無料で開催している確定申告の説明会にも出席してみてください。わからないことを相談できます。保管しておくべき領収書や書類、申告書作成手順と流れを理解しておけば、スムーズに確定申告できるでしょう。

開業届は難しい?決めるべき要点3つ

ここでは、開業届にまつわる要点を3つご紹介します。

屋号については絶対に必要なものではない

屋号とは、いわゆるフリーランス・個人事業主がビジネスを営む際に用いる名称、法人でいうところの会社名にあたります。個人事業主にとっては、仕事上で「○○です」と名乗る名前になりますが、屋号がなくても個人事業主としての活動は可能です。

とはいえ、屋号を決めるメリットもあります。例えば、どんな事業をしているのかがわかりやすい屋号であれば、取引先やクライアントに信頼してもらいやすくなるかもしれませんし、本名を開示することに抵抗がある方も安心して活動できるでしょう。

青色申告か白色申告かを選択する

確定申告には、白色申告と青色申告があります。白色申告は、取引を1つの勘定科目に絞って記載する単式簿記のため、提出する書類がシンプルで負担が少ないですが、税控除が少ない方法です。

一方、青色申告は、取引を複数の科目で記載する複式簿記をつける必要があり、賃借対照表や損益計算書など、さまざまな書類の作成や保管、提出が必要になります。申告時の負担は増えますが、控除額は大きく増えるため、事業拡大を計画しているなら、青色申告がおすすめです。

白色申告にするか、青色申告にするかは迷うところですが、開業したては白色申告をし、次の年からは青色申告に変更することも可能です。ただし、青色申告は、申告する年の3月15日までに、「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。

家族を従業員として雇うのかも決める

個人事業主は、事業にかかる出費を経費にできますが、青色申告なら、家族を従業員(青色専従者)として雇い、給与を経費として計上できます。事業で発生した収入から、従事する家族への給与にあてれば、経費として計上した分、所得税を減らせる点が青色申告のメリットのひとつです。

家族に給与を支払う場合は、青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日までに、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署へ提出する必要があります。開業後しばらくしてから提出することもできますが、家族を従業員として雇うかどうかを開業時に決めて、開業届と同時に提出しておけば、提出忘れを防げるでしょう。

もちろん、従業員として働く家族の承諾も必要です。開業する前から、どのような事業をするのか、どんな仕事をしてほしいのかを丁寧に説明し、家族間のトラブルがないように時間をかけて準備しておきましょう。

開業時に個人事業主が用意しておきたいもの7つ

ここでは、開業時に個人事業主が用意しておきたいものを7つご紹介します。

自分の名刺を用意する

事業内容にもよりますが、個人事業主も名刺が必要になることがあります。印象に残りやすく、どのような事業をしているかがわかりやすい名刺を作れば、営業や宣伝に役立つでしょう。

名刺は、文具店や名刺の専門店で注文できますし、ネットから注文し、安価で作成してくれる業者もいます。また、名刺づくりの資金を節約したい場合は、自作の名刺でも対応できますし、デザインやスタイルにこだわりたい場合は、名刺デザインのプロに依頼してみましょう。

宣伝ツールを整える

個人事業主も、積極的な営業と宣伝が必要です。どのような方法で事業をアピールしていくのか、日々戦略を練る必要があるでしょう。その際必要になるのが、SNSのアカウントやホームページなどの宣伝ツールです。

開業したての個人事業主は、実績が少ないため、顧客の目に留まり、安心して仕事をまかせられるスキルがあることを伝える必要があります。持っている資格や従事していた仕事の経験などは、積極的にアピールしていきましょう。ホームページ作りは、プロに依頼することも可能です。

近年では、スキルそのものを商品として出品するクラウドソーシングサービスも人気です。また、動画サイトでチャンネルを解説し、事業内容を紹介や専門知識の解説をする動画も宣伝になるでしょう。

どのような宣伝ツールが効果的かは、事業内容と対象となる顧客のタイプにも左右されます。方向性をじっくり検討しておきましょう。 

会計をどうするか決める

 個人事業主は税理士に依頼するか、自らが会計処理を行い、年度末に確定申告しなければなりません。そんなとき強い味方になってくれるのが会計ソフトです。

事業によって頻度は異なりますが、取引や売買、仕入れや経費が発生するたびに、会計処理をしなければなりません。仕事と並行して会計作業をするのは大変ですし、人を雇うと人件費もかかります。

会計ソフトを使えば、入力するだけで正しく計算でき、確定申告時のミスも減ります。統計や月ごとの出費なども見やすいため、事業内容の改善にも役立つでしょう。会計をどのよう進めるか決めておけば、開業後もスムーズに仕事ができるはずです。

プリンター・スキャナーを用意しておく

契約書を印刷したり、必要な書類をアップロードしたりするために、プリンターやスキャナーなども用意しておくと良いでしょう。

近年は、電子証明書付きの署名が付された電子印鑑などもあり、オンライン上だけで法的に有効な契約書が交わせることも増えてきましたが、この方法は取引する双方に用意が必要です。また、事業内容によっては、デジタル上での契約が難しいケースもあるでしょう。

頻度が少なければ、コンビニの印刷サービスなどを利用するほうが費用の節約になるかもしれませんが、頻繁に利用するのであれば、事業用にスキャナー付きプリンターを用意しておきましょう。

仕事用のメールアドレスを用意する

個人事業主は、自宅が事務所や納税地というケースも多いため、プライベートと仕事の連絡先を分けて作っておくと便利です。仕事用のメールアドレスを用意しておきましょう。

プライベートで使うメールアドレスと、仕事用のメールアドレスが一緒だと、思わぬ連絡ミスにつながりかねません。宣伝用ツールを用意する際にも、メールアドレスが必要になることが多いので、事業用としてひとつ用意しておけば、そこからさまざまなサービスに登録できます。

登録料や更新料が必要になりますが、独自ドメインのメールアドレスを作れば、信頼されやすいかもしれません。GoogleやYahoo!などであれば、無料のフリーメールアドレスを持てますが、顧客によっては信用しにくいと感じるケースもあるようです。

また、プロバイダー依存のメールアドレスは、プロバイダーの変更やサービスの終了などがあると使えなくなってしまいますので、今後の事業展開も見据えながら、事業用として適切なメールアドレスを作成しておきましょう。

事業用の口座を用意しておくと便利

確定申告では、お金の流れを把握しておく必要があります。特に、青色申告の場合は、資産額の管理や記録も必要になるため、事業用の口座を用意しておくと便利です。

プライベートで使用する口座を事業でも使用すると、お金の出入りが複雑になり、どれを経費として計上すべきか判別しにくくなります。事業用に口座を作っておけば、そこには事業に関係あるお金しか動かないため、会計処理がシンプルに行えるでしょう。

屋号で口座を開設することもできますが、銀行側の条件を満たすのが難しいケースもあります。その場合、個人用の口座でも、プライベートでの利用と分けておけば問題ありません。

取引先に教える住所を決める

個人事業主は、郵便物や商品の受け渡しや、契約書や請求書を作る際に記載する住所が必要になります。もし、自宅を事務所としていて、自宅の住所を伝えたり書いたりすることに抵抗を感じるなら、住所をレンタルするサービスや、バーチャルオフィスを利用するのもひとつの方法です。

バーチャルオフィスは、ビジネスとして立地の良い場所の住所を、複数の事業者が利用できるサービスです。開業届の際、納税地としても登録可能なため、自宅を引っ越す際に変更する必要がなく、事業登録禁止のマンションに住んでいる場合にも便利です。事業用の住所を、自宅にするか、レンタルの住所にするかも、開業の際に決めておきましょう。

まとめ

個人事業主として仕事を始める際は、就職したまま副業が可能かどうかを必ず確認してください。退職して個人事業主になる場合は、健康保険の切り替え(加入)の手続きが必要です。利用できる補助金・助成金制度のチェックをしておきましょう。

また、開業届の提出と一緒に、屋号や確定申告の種類(白色・青色)、家族の雇用などを検討していきます。加えて、事業用の口座や住所、名刺や宣伝ツール、利用する会計ソフトやメールアドレスなども用意しておくと、開業後スムーズに事業展開できるでしょう。

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