フランチャイズ起業とは?失敗しないためのポイントも解説!
近年では副業を始めたり、週末起業を始めたりするサラリーマンが増えていているようです。終身雇用制度が終わりを迎え、会社に頼っていては先の人生が不安ということで起業して脱サラする人が増加しているのです。
最近挑戦する人が増えてきているフランチャイズ起業ですが、実はビジネス初心者におすすめのはぴったりの起業方法なのをご存知でしたか?この記事を読めば、フランチャイズとは何かという基本的な知識からフランチャイズ起業に失敗しないための費用ポイントまで理解することができます。
フランチャイズとは
フランチャイズとは、加盟店(フランチャイジー)としてチェーン企業本部(フランチャイザー)と契約を結び、加盟金(ロイヤリティ)を支払うことで商標の使用権や、商品サービスの販売券権を得られるシステムです。
加盟店は、本部の経営ノウハウを活用できたり、ブランド力を得られたりするため個人事業や法人設立よりも起業のハードルが比較的低いという特徴があります。
起業未経験でノウハウが無くても短期間で独立開業にチャレンジできるので、フランチャイズを始める方が増えてきています。フランチャイズはコンビニエンスストアで取り入れられていることはご存知かもしれませんが、意外と展開している業種が多いことはあまり知られていません。
たとえば、下記のような業種でフランチャイズは取り入れられています。
- 定食屋
- 介護
- 買取・リサイクル
- 学習塾
- ハウスクリーニング
- 美容・リラクゼーション
このようにフランチャイズを取り入れている業種はかなりの種類があるので、フランチャイズで起業を目指す方にとっても自分の興味ある業種や、強みを活かせる業種を見つけやすくなっています。そこで本業の合間を縫って週末起業している方もいらっしゃいます。
フランチャイズで起業する手順
フランチャイズの基本的な知識について確認できたところで、どんな手順で起業まで進めれば良いのか確認していきましょう。なお、フランチャイズで起業する手順は下記の通りです。
手順1:フランチャイザーを探す
手順2:資料請求してみる
手順3:比較検討
手順4:説明会や相談会に行く
手順5:フランチャイジーと契約
それでは、それぞれの手順について解説していきます。
手順1:フランチャイザーを探す
フランチャイズと言っても先述したように様々な業種があります。多くの業種の中でも、これまでの経験や個性を活かせるものを選ぶことができれば起業の成功確率は高まります。
なので、どんな業種があるのかはもちろんですが、契約形態なども含めて広範囲に情報収集をしましょう。まずは求人や起業を扱う雑誌や書籍、転職サイトなどを確認していきどんなフランチャイズ本部があるのか調べてみると良いです。
なお、「 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会」は、多数のフランチャイズ本部が加盟しているので情報収集先としてとてもおすすめです。
手順2:資料請求してみる
興味のあるフランチャイズを見つけたら、次は資料請求をしてみましょう。資料を確認して報酬面などや業務内容などを確認して、報酬が見合っているのか自分にできそうなのかを判断しましょう。
手順3:比較検討
ここまでの手順でいくつかの候補が出てきていると思います。本当に始める意思があれば説明会に行くなど、さらに詳しい情報を聞いたうえで始めるのかどうか慎重に判断する必要があります。
その時に全てのフランチャイズ説明会に行くことは時間と労力的にも難しいかもしれないので、自分が何を求めるのか軸を決めたうえで比較しましょう。
例えば、「お金」を求めるのか「時間」を求めるのか、何のためにフランチャイズを始めるのか、後悔しないためにもじっくり考えてみましょう。
手順4:説明会や相談会に行く
自分がフランチャイズを始めて、何を得たいのか確認できたら実際に説明会に参加してみましょう。
毎年3月頃には国内最大級のフランチャイズ展示商談会「フランチャイズ・ショー」が開催されるので一度参加してみることをおすすめします。
その他にも各フランチャイズ本部が説明会を開催しているので、参加して詳細な情報を聞きに行きましょう。参加してみるとわかりますが、各フランチャイズ本部で雰囲気や担当者の対応なども違うので信頼できるフランチャイズ本部かどうか判断するためにも説明会には参加することをおすすめします。
出典:フランチャイズショー公式
手順5:フランチャイザーと契約
説明会に参加して、良さそうなフランチャイザーを見つけたら本部を訪問して担当者と面談・面接を行います。
契約条件に対する審査を受けて本契約に踏み出します。契約の流れに関してはフランチャイズ本部によって様々なので、個別に確認して進めるようにしましょう。
契約が決まれば店舗の立地調査や物件の取得、事業計画書の作成など具体的な作業に入ります。そんな難しそうなことができるか心配かもしれませんが、本部の方もサポートをしてくれるので安心して相談しながら進めることができます。
フランチャイズ起業のメリット
フランチャイズが人気な理由として、起業する時のメリットが大きいことがあげられます。起業当初というのは基本的にノウハウもブランド力も何もないので、競争力がほとんどない場合が多いです。
そんな起業初期の課題を一気に解決してくれるのが、フランチャイズ起業なのです。フランチャイズ起業には多くのメリットがあるのですが、起業当初で特に恩恵の大きいフランチャイズ起業のメリットは下記の3つです。
- ブランド力がある
- ビジネスモデルを真似できる
- 集客や宣伝は本部が行う
これらのメリットがあるからこそ、ビジネス未経験者の主婦やサラリーマンでも比較的簡単に起業する事ができるのです。では、それぞれのメリットについて解説したいと思います。
ブランド力がある
人が商品やサービスを選ぶ時に判断基準としている要素の1つがブランド力になります。やはり、長く知られている企業ほど親近感を持たれていますし、安心感を持って商品やサービスを購入しやすい傾向にあります。そんな中でブランド力の無い状態の企業が商品やサービスを選んでもらおうとするのは大変なことです。
たとえば、大手コンビニ会社とよくわからないコンビニが隣同士で並んでいたら、あなたならどちらのコンビニを利用するでしょうか?多くの方が大手コンビニ会社に入って行くのではないかと思います。
フランチャイズでは、このようなブランド力を引き継ぎ、信頼があるなかで起業できるのでメリットが大きいです。
ビジネスモデルを真似できる
たとえば飲食店で起業しようと思ったら、まずはメニューを作る必要があります。おいしいことはもちろんですが、リピートしてもらえるような商品を作り出さなければなりません。また、経営ノウハウであったり、従業員の教育マニュアルや制度など飲食店経営には欠かせないものがたくさんあります。
ですが、フランチャイズで起業するとすべての問題が解決されているのです。すでに長い時間をかけて研究されたメニューや、自分があれこれ頭を悩ませなくても従業員が成長してくれる教育制度が用意されています。困ったことがあれば本部に相談もできるので、起業するハードルがこんなにも下げられるビジネスモデルは他にないでしょう。
集客や宣伝は本部が行う
まず、起業したら認知を広げる必要があります。たとえば、飲食店のフランチャイズを始めたとしたら、広告を出したりチラシを配ったりして自分がお店を出したことを知ってもらわなければなりません。
もちろん費用はかかるのですが、問題は効果があるかどうかがわからない点です。最悪の場合、集客・宣伝の費用だけがかかり売上につながらないという事態にもなりかねません。フランチャイズで起業する場合、そんな心配がほとんどないのがメリットです。
すでに集客のノウハウがあるうえにブランド力もあるので、集客に困るということは起きません。しかも、テレビでCMを流したり広告を出したりするための広告費も負担する必要が無いのは嬉しいと思いませんか?このように起業当初から集客・宣伝が効率良くできるのはフランチャイズ起業のメリットの1つです。
フランチャイズ起業のデメリット
メリットだけ聞くとフランチャイズ起業してみたいと興味を持つ方が多いのですが、もちろんデメリットもあります。なお、フランチャイズ起業のデメリットは下記の3つです。
- ロイヤリティが高い
- 近くに同じチェーン店が出店
- 中途解約ができない
では、それぞれのデメリットについて解説したいと思います。
ロイヤリティが高い
これまでお話してきたメリットを享受できる代わりに、フランチャイズで起業するとロイヤリティを支払う必要があります。そこで、個人で起業した時よりも利益率はどうしても落ちるものです。
ただし、そこは考え方次第でノウハウやブランド力を買い、さらには広告費や商品開発費などに充てていると考えれば、それほど高いというわけではありません。起業当初の失敗確率を大きく下げるための経費と考えれば、十分コスパは良いと考えられます。
近くに同じチェーン店が出店
加盟店契約の中で一定領域内の商圏保護が約束されていない場合は、近隣に他のチェーン店が出店する可能性があります。ただ、契約を結ぶ時に確認をして商圏が確保されているフランチャイズを選べば問題ありません。
中途解約ができない
当然、ビジネスなので絶対の成功はありません。経営がうまくいっていない時に契約を解除したいと思うかもしれませんよね。
そんな時に契約の内容によっては、違約金が発生するから中途解約ができない可能性があります。このデメリットも先ほどお話ししたように契約の時点で、違約金が発生しない契約内容かどうかを確認してからフランチャイズ契約を結ぶようにすれば問題ありません。
フランチャイズ起業で失敗しないためのポイント7選
フランチャイズ起業で失敗しないためにも知っておいてほしいポイントがあります。比較的ハードルも低く失敗確率も低いフランチャイズ起業ですが、今から紹介するポイントを押さえていないとほぼ確実に失敗してしまいます。
なお、フランチャイズ起業で失敗しないためのポイントは下記の7つです。
ポイント1:業界・業種の選定を見誤らない
ポイント2:悪徳フランチャイズは避ける
ポイント3:資金管理の徹底
ポイント4:契約条件をしっかり確認する
ポイント5:経営に関して学ぶ
ポイント6:本部の人気や知名度を確認する
ポイント7:本部に頼りすぎない
ビジネスにおいて重要なのは、成功確率を上げる努力よりも失敗確率を下げる努力です。いかにリスクを軽減するかを念頭において起業しましょう。それでは、フランチャイズ起業で失敗しないためのポイントについて解説したいと思います。
ポイント1:業界・業種の選定を見誤らない
取り扱う商品によっては流行に影響されるものもあります。わかりやすい例でいうと、タピオカドリンクは流行の影響を受けやすかった商品の代表です。
流行の影響を受けやすい商品を選べば、流行が去ってしまった時に経営が困難になってしまうので、流行に影響されにくい業界・業種の商品を選ぶようにしましょう。
ポイント2:悪徳フランチャイズは避ける
フランチャイズの中には加盟店側に厳しい要求や条件で契約を求めてくるところがあります。サポートが無かったり、担当者が高圧的だったり契約内容が一方的に不利であったり、色々な問題を抱えている場合があるのです。
そんなフランチャイズを避けるためには、これまでお伝えしてきたように説明会に参加して詳細を確認したうえで、契約前には契約書の内容を何度も確認しておく必要があるのです。
ポイント3:資金管理の徹底
資金管理はビジネス未経験者が失敗しやすく、収益や資金繰りに関しての見積もりが甘いせいで資金が尽きてしまうことがあるのです。
起業初期の段階で資金調達をして、予算を各費用に分配するところまでは大体問題なくできる人が多いのですが、失敗する人はランニングコストを管理できていない傾向にあります。
ランニングコストとは人件費や光熱費などの経費を指しますが、こういった経費の部分を軽視していたがために気づけば運転資金に用意していた資金がなくなり資金繰りが追いつかなくなるということが起きるのです。また、経費だけでなく売上の管理も必要です。
売上の見込みが甘すぎると、思っていたよりも利益が出ないということになり、赤字が続けば経営を続けることは難しくなるでしょう。
ポイント4:契約条件をしっかり確認する
フランチャイズ契約をする時は必ず契約内容を何度も確認するようにしましょう。先ほどもお話したようにロイヤリティの金額や中途解約に違約金が発生するかどうかなど経営に大きく関わる点については、確認漏れが無いように何度も確認するようにしましょう。
ポイント5:経営に関して学ぶ
フランチャイズの中には「未経験OK」「経験不問」というような条件で募集をかけているところもあります。
本部の方で研修をしてくれたり、システムを利用できたり、未経験でも始められることは確か。しかし、経営自体は自分で行う必要があります。そこで、経営に関しては自分で学び続けるようにしましょう。
ポイント6:本部の人気や知名度を確認する
フランチャイズ本部のブランド力を利用できることがフランチャイズで起業するメリットの1つです。そこで、知名度が低かったり信用度の低いフランチャイズに加盟したりしてしまうと、せっかくのフランチャイズのメリットが享受できません。
フランチャイズを選定する段階で口コミやSNSでの評判なども確認するようにしましょう。
ポイント7:本部に頼りすぎない
フランチャイズとはいえ起業なので、あくまでも自分で事業を回していくという自覚と責任感が求められます。本部だけを頼りにするのではなく、自分で経営を学び改善していく努力が必要になるのです。もちろん本部からアドバイスはもらえますが、自分主体で進めていく意識を持つようにしましょう。
フランチャイズ起業に向いている人の特徴
起業のハードルが比較的低く、ビジネス初心者の起業方法としておすすめなフランチャイズ起業ですが、誰にでもおすすめというわけではありません。
フランチャイズ起業に向いている人の特徴を紹介するので、あなたがフランチャイズ起業に向いているかどうかの判断材料にしていただけると嬉しいです。フランチャイズ起業に向いている人の特徴は下記の3つです。
レールの上を走るのを楽しめる人
すでに作られた仕組みの中でビジネスを楽しめる人はフランチャイズに向いています。たとえば、決められたルールのなかで努力するのが苦にならなかったり、指定された規格の中で改善をしたり、制限がある中でも自分ができることにフォーカスできる人は間違いなくフランチャイズ起業に向いていると言えるでしょう。
本部を信じて行動できる人
フランチャイズに加盟すると本部から提供されるノウハウや商品でビジネスを行うことになります。そこで、本部のやり方に疑問を感じてしまってはストレスになりますし、何よりせっかく起業したのに楽しくビジネスをできません。
本部の指示や方針などにストレスを感じず、自分ができることに淡々と取り組める人はフランチャイズ起業に向いていると言えます。
本部から与えられた規格を守りつつ試行錯誤できる人
フランチャイズでは基本的に本部から提供される規格を元にビジネスを行いますが、地域や経済状況などにより常に同じやり方で上手くいくとは限りません。
そこで、時には自分で考え柔軟に対応していく必要があるのですが、その時に本部から与えられた規格を守りながら試行錯誤しなければならないのです。フランチャイズの枠組みを守りながらも、試行錯誤してアイデアやヒントを導き出せる人はフランチャイズ起業に向いていると言えるでしょう。
フランチャイズ起業に必要な資金の平均
契約内容や業種によってフランチャイズ起業に必要な資金は変わってきます。そこで、「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書」で公開されている情報を基に、おおよその条件ごとで必要な開業資金の平均を下記の通りまとめてみたので参考にしていただけると幸いです。
店舗を自分で用意した場合 | 店舗を本部に用意してもらう場合 | |
---|---|---|
全体 | 1,848万円 | 1,329万円 |
小売業 | 2,074万円 | 913万円 |
外食業 | 2,552万円 | 2,354万円 |
サービス業 | 903万円 | 698万円 |
一般的に本部に店舗を用意してもらう方が開業資金は低くなっています。そこで、資金の調達が難しい場合は店舗を用意してもらうか無店舗のフランチャイズへの加盟を検討してみましょう。
どんなビジネスで起業するにしても初期費用はおさえるべき初期費用をできるだけ軽減できるポイント
どんなビジネスにしても調達できる開業資金には限界があります。限られた資金で開業資金から運転資金まで用意しなければならないので、失敗の確率を減らすためには費用を削れるところは削る経営努力が必要になります。
ランニングコストをできる限り抑えることは前提ですが、初期費用はどうしても必要なものがあり費用をおさえる部分を見つけるのは難しいです。唯一費用を抑えることが可能な部分としては内装費となります。内装費は居抜きの物件を使えば、開業時の負担を大きく軽減できるでしょう。そこで資金をなるべく多く残すためにもしっかりと時間をかけて探すことをおすすめします。
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