絶対押さえたい美容院独立のポイント!必要な開業資金や手順を解説

美容院を独立開業するために、一般的には1,000〜2,000万円ほどの費用が必要とも言われています。安定した経営を目指すためには、初期費用を抑えてランニングコストに備えることも大切です。この記事では、資金や開業までの手順、初期費用を抑える方法について解説します。

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美容院をうまく経営するコツ

実は日本全国の美容院の数は約25万店舗と、コンビニエンスストアの4倍ほどの数が存在しています。

また毎年約2千店舗ずつ増えているといわれている美容院ですが、毎年1万店舗ほどが開店し、8千店舗ほどが閉店しているという状況で、1年以内で約38%、3年以内では約90%もの美容院が廃業している市場となっています。

そんな環境の中で、美容院をうまく経営するためには、自店舗のターゲット層と顧客ニーズに合うサービスを提供することや、収益を拡大させるための経営スキルを磨くことが大切です。

美容院を独立開業するためには

美容院を独立開業するためには、資格や経験が重要です。また、現在勤務中の美容院からの独立のしやすさや、資金・融資の面で独立する年齢もポイントになります。

独立開業するための資格

美容師で独立開業するために必要な資格はありません。すでに美容師として活動しているので、「美容師免許」は取得しているはずです。美容師は国家資格なので、美容師免許があれば美容師として一生仕事ができますし、独立開業も自由です。

ただし、開業してほかの美容師を雇う場合は、「管理美容師資格」も必要になります。管理美容師は、常時2名以上の美容師を置く場合に必要な資格。とはいえ、管理美容師資格は3年以上の実務経験があれば取得できるので、ハードルは低いといえるでしょう。

独立に最適な年齢

美容師の独立に最適な年齢は、基本的には30代以降です。20代のときは技術があっても、勤続年数の関係で融資を受けるのが難しいことがあります。30代以降であれば、貯蓄額も増えているため、資金面での不安は減るでしょう。しかし、現在勤務中の美容院が、独立・退職をなかなか認めてくれないケースもあるので、円満退社に向けた対策が必要になるかもしれません。

なお40代以降に独立する場合、すでに貯蓄や固定顧客も十分増えているため、独立後も経営を軌道に乗せやすいはず。ただし、40代以降は美容師として体力的に厳しくなってくるので、「経営者」として現場を退くためのプランを練っておくことも重要です。

独立までに積んでおきたい経験

独立して美容院を開業するために、美容師としてのスキルやコミュニケーション能力と、事業や経営のセンスを磨いておくことも重要です。現在の美容院で「トップスタイリスト」や「店長」として活躍した経験があれば、独立後に自店舗の魅力を顧客にアピールできます。

また、独立後は自身で店舗を運営・経営していく必要があるので、事業計画や経営判断など「経営者」としてのノウハウも重要です。現在の店舗で実績を積むことで、オーナーの下で経営ノウハウを学ぶ機会が得られます。オーナーの意思決定や経営の流れを観察しておくと、将来的に自身の店舗を経営するときに役立つでしょう。

独立開業するために必要な資金

美容院を独立開業するために、一般的には1,000〜2,000万円ほどの資金が必要といわれています。。イニシャルコストとランニングコストのシミュレーションを行い、正確な資金計画を立てておきましょう。

イニシャルコスト

美容院の開業には、テナントの賃料や内装工事費、美容機器・設備の導入費用などのイニシャルコスト(初期費用)がかかります。自身の店舗となるテナントを借りるために、賃料・敷金・礼金などが必要です。そのテナントの内装や電気・ガス・水道の工事費も無視できません。内装工事費の目安は、坪単価40万円前後です。

また、イス・シャンプー台・パーマ用具などの美容器具のほかに、洗濯機や音響設備などを整備するための費用も掛かります。これらをトータルすると、最低でも1,000万円のイニシャルコストがかかることがほとんど。なお、後述する「居抜き物件」を利用すれば、イニシャルコストは大幅に抑えられます。

ランニングコスト

美容院を開業したあとは、美容院を日常的に運営するためのランニングコスト(維持費)がかかります。代表的なランニングコストは、ドライヤー・シザーなどの備品や、シャンプー・トリートメント・カラーリング剤などの消耗品です。さらに、・火災保険や店舗賠償責任保険などの保険料や、Webサイトや予約システムの運用費用もかかります。

企業当初は収益がほとんど得られないことも多いので、経営が軌道に乗るまでの売上をカバーできる予備費も必要です。3~6か月分のランニングコストをカバーできるくらいの資金を用意しておくのが理想的。また、ほかの美容師やスタイリストを雇う場合は人件費もかかるので、より入念なコストシミュレーションが欠かせないでしょう。

独立後の収益

美容院のオーナーが得られる収益は、店舗の売上高の2割くらいだといわれています。美容師を1人雇う場合は、人件費に3割、テナント料や備品などにそれぞれ1割ずつかかるなど、合計コストは売上の8割を占めることが多いです。そのため、1か月の売上が100万円の場合、オーナーの収益は20万円となります。

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、美容師の平均年収は330万円なので、オーナーがこの水準を超えるためには1か月あたり140万円以上の売上が必須。ただし、美容院を1人で経営する場合は、売上の半分くらいが収益になるため、「従業員を雇用するかどうか」でオーナーの収益が大きく変わるといえるでしょう。

美容院を上手く経営するコツ

美容院をうまく経営するためには、自店舗のターゲット層と顧客ニーズに合うサービスを提供することや、収益を拡大させるための経営スキルを磨くことが大切です。

ペルソナを設定する

まずは「ペルソナ(具体的なターゲット像)」を設定しましょう。それぞれの顧客には「ニーズ」がありますが、そのニーズは顧客の年齢・性別・趣味嗜好などによって大きく変わります。最もわかりやすいのは「男性向け」「女性向け」や、「カジュアル志向」「高級志向」などの違いでしょう。顧客層や顧客ニーズは立地や環境によって異なるため、事前に競合店などを調査しておくことが重要です。

事業計画を立てる

独立開業のイメージを可視化することで、事業計画が立てやすくなります。独立開業に必要な資金やテナント、目標売上などを文字や数字に落とし込み、何が必要か見極めましょう。最初はあいまいなイメージかもしれませんが、どんな美容室を経営して顧客に何を提供したいか考えると、少しずつ具体像が見えてくるはずです。

経営について学ぶ

美容院の経営を軌道に乗せるためには、適切な経営プランを練り、実行に移すことが重要です。たとえば、流行のヘアスタイルやカラーを見極めて、顧客にトレンドを反映したサービスを提供するための設備を整えることは、中長期的な観点での店舗経営において欠かせないテクニックです。こうした経営手腕は、前述したように美容院で勤務しているときにオーナーなどから学んでおくと、実戦で活かしやすくなります。

経営費用を抑える方法

美容院の経営コストを抑えるためには、SNSを活用した集客や居抜き物件などの活用がおすすめです。

SNSを活用する

美容院の集客を増やすためには広告・宣伝が必要ですが、そのために必要な費用は高額です。一方、現在ではInstagramやTwitterなどのSNSを運用して、低コストで手軽に集客施策が打てます。たとえば、自店舗の雰囲気やスタイリング例をInstagramに掲載すれば、拡散効果による大幅な収益増加が見込めるでしょう。

自分で内装をする

魅力的な美容院を作るためには内装も重要ですが、工務店などにすべて依頼すると高額になります。そこで、内装工事を自分で行うと、工事費を大幅に削減できる可能性があります。ただし、美容院の内装はデザイン性や清潔さが求められるので、DIYに自信がない場合は工務店に依頼するほうが良いでしょう。

居抜き物件を探す

開業費用の多くを占める工事費用ですが、前のテナントの設備を残した「居抜き物件」を利用するのもおすすめです。居抜き物件なら、必要に応じて最小限の設備を追加すれば良いので、イニシャルコストが大幅に抑えられます。

まとめ

美容院を独立開業するために必要な費用と、美容院の経営を軌道に乗せるためのコツを紹介しました。美容院の開業には、美容機器・設備の導入や内装工事などに多額のイニシャルコストがかかります。

しかし、SNSを活用した集客施策や居抜き物件の利用も視野に入れることで、開業コストを減らせるでしょう。開業後のことを考慮して、開業費用を安くするためには居抜き物件を活用するのもおすすめです。Tempodas(テンポダス)で、ぜひ素敵な美容室物件を探してみてはいかがでしょうか。