飲食店で独立したい!開業費や準備リスト、経営のコツも紹介
飲食店の独立に憧れている人も多いでしょう。しかし、その開業資金や方法がわからない人も多くいますよね。そこで今回は、飲食店を開業させたい人向けに開業資金の調達方法や準備のリストについて共有します。また開業してから飲食店の経営を軌道にのせるポイントもあわせて理解しておきましょう。
ステップ① 飲食店で独立開業するメリット・デメリットを知ろう
飲食店で独立するというと、少なからず不安がついて回るものです。飲食店が独立することで得られるメリットとデメリットについて紹介しましょう。
独立開業のメリット
飲食店における独立開業に限ったことではありませんが、個人事業主として独立開業することで経費が使用できるようになります。経費が使えると節税もできます。所得税は利益に対して課税されるため、経費が大きいほど利益が小さくなる仕組みです。飲食代等は交際費として経費にでき、家賃の半分も経費として計上できます。
独立開業のデメリット
こちらも飲食店に限った話ではありませんが、実店舗ビジネスには下記のような大きな固定費用がかかります。
- 店舗賃料
- 光熱費
- 人件費
金融機関等から融資を受けている場合は、毎月の返済も必要になります。業績に関わらず費用がかかるというのは、実店舗経営の大きなデメリットといえるでしょう。
ステップ② 飲食店の開業資金はどれぐらい?
飲食店の開業資金を知ることで、この先の見通しが立てやすくなるでしょう。ここでは飲食店の開業資金を細かく解説していきます。
初期費用
小規模の飲食店を開業するのであれば自己資金は500~1,000万程度あれば一般的に可能といわれていますが、立地や規模、内装のこだわりなどによって金額は異なります。
経営にかかる費用
飲食店を開業する場合、一般的に1,000万円程の費用が必要だとされています。場合によってはさらに大きな費用をかけて開業する人もいるため開業する人のコンセプトやこだわりによって様々です。
資金調達
自己資金のみで飲食店の開業費用を賄うのは難しく、多くの人が自己資金を3割程度用意し、自己資金の倍額程度を金融機関から融資や助成金、補助金を利用して開業しています。
ステップ③ 飲食店で独立開業した時の年収は?
自分の店を持つだけでは生活ができません。大事なのは、利益が取れるかどうかです。飲食店が独立した時の年収についても理解しておきましょう。
個人で飲食店を経営した時の年収を紹介
個人経営の場合、平均年収はおよそ500〜620万程度といわれています。
一般的な会社員の年収と比較すると1.5倍近くもらっていることになります。もちろん経営するうえで「赤字」ということもあるかもしれません。売り上げが悪ければ年収が0円にもなり得ますが、頑張りしだいでは年収1,000万円超えも普通に狙えるということです。
ステップ④ 飲食店独立には競合の調査が必要
飲食店の独立には競合の調査が必要不可欠になります。ここでは、競合調査のポイントをまとめました。
ライバル環境で自分のポジションが決まる
物件を借りる際、周辺のライバル店もきちんとチェックしておきましょう。同じようなお店が近くにあっては売上をあげるのは難しいので、様々な戦略も大事になってきます。
勝てない場所で勝負しない
立地がいい場所や人通りが多い場所には数々のお店がありますが、賃料が高かったり、競争率の高い場所でもあります。繁盛しているお店の近くや同じようなメニューやコンセプトのお店が近い所など、勝てない場所では勝負しないように気をつけましょう。
ステップ⑤ 飲食店独立時にコンセプトを決めよう
街を歩けば、実に多くの飲食店が存在します。言うなれば、競合ばかりです。そのような状況をふまえて、長く経営を安定させるには、他の競合を調査したうえでコンセプトを確立する必要があるでしょう。
コンセプトとは
「概念」や「観念」を表す言葉であり、全体を貫く基本的な観点や考え方のことをいいます。コンセプトを明確にすることでビジネスの成功率が高まり、今後の経営戦略や分析に役立ちます。
コンセプトの考え方を解説
「どんな想いで提供するのか」「どんな場所か」など取り組む姿勢や方針・思想を考え、コンセプトを決めると具体的なアイディアが出しやすくなります。例えば有名なスターバックスでは「サードプレイス(第三のリラックスできる場所)」がコンセプトで、これは「家庭でもなく職場でもない第三の空間」という場所になるようにという想いが込められていることがわかりますよね。
ステップ⑥ 飲食店で独立したいと思ったら店舗の物件選定を
飲食店で独立する際は、どのくらい顧客が収容できるか。調理しやすい厨房があるかなどの視点が大事になります。また食材の在庫をしっかりとおさめておける収納場所もチェックしておきたいポイントです。
コンセプトに合わせた物件選び
やみくもに物件を探すのはNG。ターゲットとする客層が利用しやすい立地であるか。、集客が狙えるエリアかどうかなど、お店のコンセプトに合った物件を選び、 事前に周辺の調査もしておきましょう。
飲食店は許可の申請をしないといけないため内装費が高くなる
店舗の内装や設備などが何もない状態で、ゼロから自由に工事をすることを「スケルトン」といいます。その場合、開業に必要な手続きや申請も多く、内装費用や設備の費用が高くなります。しかしこだわりがある人にとってはコストがかかっても自由に内装や設備ができるので、場合によってはメリットにもなります。
居抜き物件なら初期費用を抑えられる
居抜き物件とは前に借りていた入居者が居なくなっただけで、内装や設備が残っている状態なので「スケルトン」と比べると改装費、設備費などの節約、工事期間の短縮ができるので大幅にコストをカットできます。以前からの顧客を取り込みやすく集客にもつながるメリットがあります。
ステップ⑦ 料理メニューを開発しよう
メニューを気に入ってもらえればリピーターになる可能性もあるので、メニュー開発は飲食店にとって重要になります。まずはお店の定番メニューを作り、飽きられてしまわないように種類などを考え、その後新メニューの開発もしていくといいでしょう。
お客様のターゲットを決めたり、コンセプトに合ったメニューを考えたり、誰に何をどうやって提供するのか一貫性を持たせることが大切です。
ステップ⑧ 事業計画の立案をしてみよう
飲食店が独立してから、軌道に乗るまでは顧客の足並みも安定しません。そこで、運転資金も考える必要があります。必要な融資を時には借入することもあるでしょう。事業計画の立案もしっかりとしておきたい箇所です。
融資を受けるために収支計画を立てる必要がある
飲食店の開業には「売上計画」や「収支計画」など具体的な「開業計画」が必要となります。
売上計画
まず、お店の立地や規模などを踏まえて売上の見通しを立てます。これをしっかりとやっておくことで開業後に経営困難になる可能性も低くなり、しっかりと計画しておけばリスクも少なくなるので細かく作成しておきましょう。自分の収入も計算してどのような形で生活をしていくのかも計算しておきましょう。
売上の計算方法とは
売上=1日の来客数×客単価=客席×客席稼働率×回転数×客単価
ステップ⑨ 物件契約から内装・外装の施工を考えよう
飲食店が独立するには、物件の契約をしたあとコンセプトに寄せたり、より使いやすくしたりするために内装や外装の施工が必要になります。開業するまでには済ませておきたいポイントなので、段取りをしっかりと決めましょう。
業者の選定をする
飲食店の内装工事の費用相場は坪単価で変わります。コストを削減するためにも、予算をあらかじめ決めておいたり内装や外装の施工は複数会社で見積もりを出してもらい費用を比較しましょう。
調理器具やインテリアなどが搬入できるのか
飲食店では業務用の冷蔵庫や調理器具、お店の雰囲気も重要になるためインテリアにも気を使わなければなりませんが、搬入時に大きすぎて入らない!ということがないよう、事前に搬入が可能かどうかチェックすることも必要です。
相談しながら決める
物件を契約してから内装や外装、設備やインテリアなど各業者にしっかりと説明と相談しながら開業に向けて準備をしましょう。相談しながら決めていけば後々、不要な費用を出すことなく進めていけるでしょう。
ステップ⑩ 飲食店が独立する際の人材採用のポイントはこれ!
飲食店が独立する際に人材採用をすることも多いでしょう。厨房にいながら質の良い接客をすることはできないので、アルバイトなどを雇う必要があります。飲食店が独立する際の人材採用のポイントもあわせて理解しておきましょう。
人材採用のポイントを解説
オープンしたてで売上の見込みも立ちにくく、なるべく人件費を抑えたい気持ちもあるかもしれません。しかし一人での運営は難しいことがほとんどです。人材採用することによってお店の回転率が上がり、オープンと同時に採用すれば教育コストがそれほどかからずに簡単な作業や接客、調理についてもマニュアル化すれば任せることができ、戦力にできます。
スケジュール感や教育について解説
アルバイトやパート、正社員としてどのような雇用をするかでスケジュールや教育についても異なりますが、オープニングスタッフとしてオープン初日の1か月程前に採用するのが目安です。開店準備の手伝いやお会計の仕方や料理の提供などマニュアルを作成する必要もあります。
ステップ⑪仕入先の選定・食材の確保
飲食店が独立する際により深く考えるべきなのが、仕入れ先や食材の確保です。一つの仕入れ先に集中することなく食材のコストを抑えるようにできると良いでしょう。
利益率を考えて仕入れる
仕入れ先を決める前にどのようなメニューを出すのか具体的に考える必要があります。その後販売価格を設定し、その材料費が原価となります。食材の質にこだわりすぎると原価率が高くなり、利益が薄くなるため慎重に行う必要があります。そのうえで、仕入れ先の条件を比較し利益率を考え仕入れなくてはいけません。
安定的に食材を仕入れられるようにメインの仕入先とサブの仕入先を用意する
飲食店を始めるときに仕入れ先を一か所に絞ろうとする方が数多くいます。ですが仕入れ先を一つに絞らないほうが効率的に仕入れられるため、効率性を重視するのであれば仕入れ先を限定することはあまりお勧めできません。
リスクを避けるためにもメインの仕入れ先を一つ用意しておき、サブの仕入れ先をいくつか用意している飲食店も多いのです。手間は多少かかりますが複数の仕入れ先を併用することでリスクを回避できます。
ステップ⑫ 各種届出や必要な資格を知ろう
飲食店では、直接人の体に入る食事を提供するので、それなりの資格が必要になります。知らなかったでは済まされないので、早めに資格や届出を済ませてしまいましょう。
保健所、消防署に必要な届け出を解説
飲食店の開業には保健所や消防署から営業許可を得る必要がありますが開業後もチェック・検査を受けることがあります。
飲食店の開業に調理師免許は必要ない
飲食店の開業に調理師免許は必要ないので、誰でも飲食店を起業することができます。しかし他に必要な資格や申請、手続きも多いため飲食店を開業しようとしている方は確認しましょう。
開業届出書
飲食店を開業する際は開業届を提出する必要があります。個人事業主として新しく事業を始めるときは開業届の提出が義務付けられています。忘れずに提出しましょう。
食費衛生責任者
飲食店営業許可を取得する条件として、食品衛生責任者の資格取得が必要です。飲食店営業許可は1店舗に最低1人は必要です。お店を適切に運営できるよう食品衛生を管理する責任があります。
防火管理者
従業員を含む収容人数が30人以上の店舗では防火管理者選任届の提出も求められます。防火管理者の資格を取得するには防火管理講習の受講が必要です。営業開始日までに消防署へ届出をしてください。
ステップ⑬ 飲食店が独立をするときの販促ツールを作ろう
飲食店が独立した際、集客を始めるには様々な方法があります。今回はコストをかけないで集客する方法もチェックしましょう。
看板や広告、チラシ、SNS、公式LINEなど
コストがかかりすぎてしまわないように、SNSや公式LINEなどを活用する人が増えています。特にターゲットが若い人であればネットで検索したりInstagramやTwitterなども見るでしょう。最近では年配の方もスマホなどで検索する人が多いので、効果的といえます。
インターネットを使った販促が良コスパ
飲食店業界では店舗のホームページを持っている人もいますが、ホットペッパーや食べログなどグルメ系ポータルサイトのみ掲載している店舗も増えてきています。スマホを持っている人なら誰でも見られるので実用的です。有料と無料のどちらのサービスもありますので各サイトで確認してみましょう。
ステップ⑭ 飲食店の種類によって準備することが変わる
飲食店を開業する際、様々な種類があります。そのため種類によって準備することも異なります。
例えば居酒屋ならアルコールの提供や調理全般が必要なため十分な調理スペースや設備、様々な申請や資格も必要になります。同じようにカフェも一通りは居酒屋と同じように感じますが、アルコール提供や調理も居酒屋に比べ少ないことから用意するものや準備するものが違います。
一方喫茶店ではアルコールの提供がないことや、単純な加熱以外の調理全般ができないなどの営業許可の違いがあります。
まとめ
飲食店の独立には、多くの資金が必要です。その後も人件費や食材の費用など運転資金を確保しなければなりません。このことをふまえて、開業資金は少しでも減らす工夫したいところ。Tempodas(テンポダス)では、開業資金を安く抑えるために居抜き物件を多く用意しています。飲食店の独立を考えている人は、ぜひ見てみてください。