古着屋の開業に必要な資金や手順を解説!成功する店と失敗する店の差とは
古着は他の人と被ることが少なく、個性的な掘り出し物を手頃な価格で見つけられるのが楽しいですよね。そんな古着屋に憧れて自分も古着屋を開業したいと思う方が多く、古着屋をオープンする方が増えてきています。
あなたも「古着屋を開業したいけど、どんな手順で進めるか、いくら資金が必要なのかもわからない」と思うことはありませんか?そこで、当記事では古着屋の開業の手順や必要な資金について解説します。
古着屋の開業に必要な資金
古着屋の開業に必要な費用は、本格的な準備に踏み切る前に確認しておきましょう。実店舗を構える場合はテナントや設備だけでなく古着の仕入費用や人件費・宣伝費なども考えなければいけません。
また、初期費用の目安としては、全体として400~600万円程度は見込んでおく必要があるでしょう。下記でどんな費用が必要になるのか内訳を解説します。
店舗を取得する費用
初期費用の中でも、特に負担の大きいのが店舗物件の取得費です。物販用のテナントであれば、賃貸料と保証金などを合わせると初期費用として200~300万円ほどかかる場合が多いです。ただ、エリアやテナントの広さによっては、100万円程度で借りられる可能性もあります。
居抜きの物件であれば大きな改修もしなくて済むので、さらに費用をおさえたい場合は居抜きの物件を探してみるのもおすすめです。
古着を仕入れる費用
古着屋を開業するには、商品である古着を大量に仕入れる必要があります。取り扱う商品のジャンルや店の規模によって仕入れにかかる費用は変わってくるので、一概に費用がいくらかかるとは決められません。
そこで、高級ブランドを扱うのかリーズナブルな掘り出し物を扱うのか、コンセプトを決めてから仕入れにどれくらい予算を割くのか決めていくのがおすすめです。
備品の準備にかかる費用
古着屋の開業時は、他の店舗ビジネスと比べて多くの設備は必要ありません。しかし、顧客の利便性を考えたら試着室や鏡などは用意しておいた方が良いです。
また、多くの場合会計をレジで行いますが、最近ではタブレットなどのモバイル端末で行うこともできるので開業費用をおさえたいのなら、レジ代わりに使っても良いでしょう。
基本的にオープン当初は最低限の設備で始めて、安定してきたら設備を追加で揃えるような形で進めていくのがおすすめです。
人件費や宣伝費
多くの場合、古着屋を開業してからうまくいくまでは、従業員は雇わず自分で店頭に立ちます。店舗スタッフを雇う場合は、採用にかかる費用や人件費も考慮して資金を調達する必要があるのです。
スタッフが採用できるまでは求人も出し続ける必要があり毎月の費用は10万円以上かかる場合が多いので、継続的に費用を用意できるように管理しましょう。
また、古着屋を始めるには店舗の宣伝費用も考えなければいけません。チラシを作成する場合、デザインから印刷まで業者に依頼するなら、デザイン費用だけで2~8万円程度・印刷費用は1枚当たり5~15円程度かかります。
フリーペーパーや地元紙に広告を掲載する場合でも費用はかかってしまうので、予算は用意しておく必要があります。
最近ではデザインができなくても自分でWebサイトを制作することができる便利なツールもあるので、ブログやホームページを作ってSNSで認知を広げていくのも有効です。
古着屋の開業はどれくらい儲かる?
古着屋を開業するために必要な資金の内訳を学んだところで、次は古着屋を開業した時にどれくらいの年収になるのかシミュレーションしてみます。
計算としては1日あたり何人の顧客が買ってくれて、客単価がいくらで経費にどれくらいかかっているか計算する形になります。なお、計算の例は下記の通りです。
例)1日平均4人購入、客単価5,000円、原価率50% 1日あたりの売上:4人×5000円=20,000円 1日あたりの利益:20000円×50%=10,000円 年収(年中無休):3,650,000円 |
控えめに見積もってはいますが、大体上記の年収くらいになると思います。もちろん、高単価なものを扱ったりネットで販売したりすれば、さらに売上は上がります。ただ、売上を上げることだけではなく、同時に経費を下げる努力も必要です。とくにオープン当初は資金的にも余裕があるとは言えないので、運転資金が尽きてしまうことで廃業してしまう方が多くなっています。
これを防ぐには初期費用をおさえて、開業時に資金調達した資金を運転資金に残すというのがおすすめです。通常、開業時には店の内外装などでかなり費用がかかってしまうのですが、居抜きの物件を使えばほとんど内装費をかけずに済むので、どんな店舗のビジネスにおいてもかなり有効な手法となっています。
古着屋を開業するためのステップ
古着屋を始めるには資格を取得する必要があり、商品の仕入れや備品の用意も必要なので開業までに準備しなければならないことがたくさんあります。
まずは開業までに何をする必要があるのか確認しましょう。古着屋の開業までの手順は下記の通りです。
ステップ1:古物商許可の取得
ステップ2:コンセプトを決める
ステップ3:物件を取得する
ステップ4:内装工事
ステップ5:備品の用意
ステップ6:商品の仕入れ
ステップ7:開業の申請
では、それぞれの手順について解説したいと思います。
ステップ1:古物商許可の取得
古着屋を開業するには都道府県公安委員会が所轄する「古物商許可」の取得が必要になります。なぜなら、古物商許可は衣類を含む中古品を販売する場合に取得が義務付けられているからです。
実店舗ではなくネットショップで始める予定の方も必ず申請が必要になるので注意してください。ネットオークションやフリーマーケットなどで継続的に中古品の販売をする時にも「古物商許可」が必要です。
ステップ2:コンセプトを決める
古物商許可の申請をしたら店のコンセプトを決めましょう。コンセプトとは「誰に」「何を」「どのように」売っていくのか経営方針を決める時の軸になる方向性になります。古着屋のコンセプトは大きく分けると下記の4つに分けられます。
- ブランド古着屋
- 付加価値のある古着屋
- ファッションとしての古着屋
- とにかく安い古着屋
では、それぞれ解説したいと思います。
ブランド古着屋
ブランド古着はセンスはさておき、ブランド品であることが重要になります。価格の相場が決まっているので価格は決めやすいですが、価格設定を間違えると転売目的の人に大量に買われてしまって機会損失になってしまうおそれがあります。なので、価格設定は慎重にしましょう。
付加価値のある古着屋
ヴィンテージ品などあまり出回っていないものなどを扱い、高単価な商品を売っていく戦略です。仕入れが難しいのは難点ですが、このジャンルは固定のファンが付きやすいのでネット販売との相性も良く販路を広げやすい特徴があります。
ファッションとしての古着屋
デザインやトレンド重視で商品を仕入れる形になります。個性的なファッションが好きな人が来店しやすい傾向にあり、センスを問われるコンセプトでもあります。
とにかく安い古着屋
とにかく安く服を買いたいという方向けの古着屋です。仕入れは安くできますが、薄利多売になるため競合との差別化が図りにくいコンセプトではあります。
価格で競合に勝つことはもちろんですが、他の部分でも武器がほしいところです。販路を広げたり集客を強化したり、キャンペーンを打つなどの工夫をする必要があるでしょう。
ステップ3:物件を取得する
古着屋に限らず、店舗型のビジネスは立地が重要なので実店舗で始めるなら物件選びは慎重になりましょう。
古着屋を始める時の物件の選定基準ですが、不動産屋と相談して最初に決めたコンセプトに合うような立地を選ぶようにしてください。
ただ、資金は限られていると思うのでテナント料や内装費にどれくらい費用がかかるのか費用面も加味したうえで決めることをおすすめします。
ステップ4:内装工事
内装費は1番コストがかかる部分かもしれません。ただ、その分1番コストカットできる部分でもあるので、なるべく費用がかからないような物件を探すことをおすすめします。
居抜きの物件であれば、改修がほとんど必要ないケースが多いので費用をおさえられる傾向にあります。
ステップ5:備品の用意
古着屋を始めるにあたって必ず在庫管理や売上を管理するためのパソコンが必要になります。また、ハンガーや鏡など顧客向けに必要なものもあるので最低限は用意するのがおすすめです。
ただし、何でも新品で揃えればいいというわけではなく、古着屋としての店の雰囲気に合わせた使用感のあるものを集めるのが統一感があって良いでしょう。
ステップ6:商品の仕入れ
物件が決まればどれくらい服を置いておくことができるのかが決まってきます。なお、商品は店の看板にもなるので、自分のコンセプトに合った服を仕入れるようにしましょう。
ステップ7:開業の申請
古着屋を開業する時には「古物商許可」だけでなく、税務署に開業届も提出しましょう。届け出をしなくても罰則はありませんが、個人事業主としてビジネスを始める時は提出が義務付けられています。
開業届を出しておけば税制上のメリットがある青色申告ができるようになります。また、屋号による銀行口座を作れるので収支管理にも便利です。開業届は開業してから1ヶ月以内に店舗のある地域を管轄する税務署へ開業届を提出しましょう。開業届の用紙は税務署か国税庁のホームページからもダウンロードができます。
古着屋の開業に成功する店と失敗する店の差とは
古着屋の開業に失敗する店は、準備不足が原因です。成功している店は開店前から根回しをしっかりやっていて、オープン当日の開店前にはすでに店先に顧客が列を成しているのです。
失敗する店は、オープン当日並んでいる人も居なくて初日から売上がほとんどないという状態から始まります。
集客は力を入れ始めたらすぐに効果が出るようなものではなく、安定して集客できるようになるまでは時間がかかるものです。
そのため、オープン時に顧客が0人当状態から始まると、集客している間にも経費がかかってしまい資金不足を起こしてしまうのです。なので、オープン時に顧客が0人ということはなんとしても避ける必要があります。
古着屋の成功事例
ここでは、古着屋の成功事例を紹介します。ユニークな経営方法があるので、ぜひコンセプト作りの参考にしていだだければと思います。
インスタ起業
インスタグラムで古着を着た女性の写真をたくさん投稿して古着好きのファンを獲得していき、ECサイトで古着を販売することで成功している事例になります。
最初は副業から始めてフォロワー数を徐々に増やしていき起業した後、投資家から資金を調達してECサイトをを本格的に立ち上げたのです。このようなSNSとネットを組み合わせた起業方法は難易度は高いですが、初期費用が0円で済むのでやってみる価値はあると思います。
着物を世界へ発信
古着というとヴィンテージを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、着物も古着として人気が高いことをご存知でしたか?
特に着物は海外からの人気が高く、中には熱狂的なファンもいるため需要が安定しています。利益を出しやすいのも着物を取り扱う良さです。日本人が着物を着る機会がなくなり、母や祖母の着物が押入れに眠っている家庭が多く、そんな方から着物を買取って海外に販売するというビジネスモデルで成功を収めた事例です。
費用をおさえることで失敗の確率を下げることができる
限られた資金の中で経営をするには、どんなビジネスでも初期費用や経費を下げることが重要になります。とくに物件は1番費用がかかる部分になるので、コストをおさえられた時のインパクトは1番大きくなります。
居抜きの物件であれば改装がほとんど必要ない場合が多く、費用を大きくおさえることができるためおすすめです。
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